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ムシカWeb通信


■ 2014/08/04 FaceBook(8/2付)より

 Mさんはピアノの勉強がしたくてドイツへ。音大受験のため先生の門を叩く。先生「あなたはピアノの他にどんな勉強をしましたか? 数学?物理?哲学?」思いがけない質問に彼女は驚き、小さな身体をさらに縮めて細い声で「Literatur」と答えたものの、「ああ、この道は私には無理だ」と思ったそうです。

 次に先生は「今まで習ったピアノのテクニックはすべて忘れなさい。」と仰り、下さった課題はバッハの2声インヴェンション。Mさんは音大をあきらめ別の人生へ進んだものの、この時に習ったことは今でも良く覚えていて、最近自分でプログラムを組み友人を招いて小さなピアノの夕べを催したそうです。今では1曲でもレパートリーを増やそうと練習の毎日とか。色んなことを考えさせられた昨夕のビール会でした。

 


■ 2014/08/16 本郷教会サマーコンサート2014

 明日8/17日曜日午後5時より上荻の本郷教会でサマー・コンサートが開催されます。テレマンのトランペット3本にティンパニーのコンチェルト、ヴィヴァルディ《グローリア》が演奏されます。

 華やかで迷いのないこの2曲の前にシュッツの《小教会コンチェルト集》から5曲歌われます。独唱、2重唱、4重唱にオルガンという小さな編成ですが、どの瞬間も濃密で迫力に溢れた音楽です。私も柴田圭子さんとドイツ語の詩編、神山直子さんとラテン語の宗教詩(アウグスチヌス)を歌います。何度も歌い、何人もの人に教えた曲ですが、ページをめくるたびに初めて見るような気がして震えてしまいます。

 お時間が合えば是非お出かけ下さい。[入場無料]

http://www.musicapoetica.jp/schedule.php


■ 2014/08/19 武久源造バッハシリーズ@近江楽堂 Vol.3 ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ全曲

 皆様! 本日8/19(火)近江楽堂にて午後2時/午後7時の昼夜2回公演:市瀬礼子ヴィオラ・ダ・ガンバ、武久源造フォルテ・ピアノによってJ.S.バッハのガンバ・ソナタ3曲にCh.バッハの先頃発見されたというガンバ・ソナタが演奏されます。私は練習と重なってコンサートには伺えないので、なんと昨日の午後、お2人の練習を間近にゆっくり、たっぷり聴かせて戴きました。

 礼子さんのガンバは明朗闊達かつ豪快で胸のすくような演奏。武久さんのフォルテピアノとの相性もバッチリで、余りにも両者の音の発せられる瞬間とその音の方向性に狂いがないので、何人もの人が一緒に弾いているかのような豊麗な響きでした。是非お時間の合う方はいらしてみて下さい。素晴らしくも稀有な時となるでしょう!   

 お問い合わせ:松木アートオフィス03-5353-6937


■ 2014/08/26 《宇宙について》その1 FBより

 柴田南雄《宇宙について》では、グレゴリウス聖歌から12音風のスタイル、諸民族の民謡風宗教歌、さらに生月島に今も残る隠れキリシタンの「おらっしゃ」、そして最後には「華厳経」とパノラマのように多岐に亘る歌がくり広げられます。これらすべては同一平面上に並べられ、重ねられ、いつ誰がどこで歌っているのか定かではないにせよ、確実なことは一人ひとりの人間が、真剣に「歌」に向き合い、精魂込め、全身を使って声を上げるという時空が出現するということです。

 ここ何回か第2章<東アジアの天地創造の神話>を勉強しています。日本書紀の現代語訳を女声合唱が歌い、同時に男声合唱は同じテキストを古文で歌います。12音音楽を歌うとは、主音とか調性といった感覚を捨て去って、等間隔の半音階をマスターし、どの瞬間にも一つひとつの音が独立して聴こえるような発声をするということですが、普段はギョッとする増4度が一番まともに聴こえるというのも奇妙な面白い感覚です。


■ 2014/08/30 近況:FBより

 9/15(月・祝)柴田南雄《宇宙について》と11/14(金)江端伸昭《海のヴァイオリンがきこえる》という現代日本音楽史上まことに画期的な、しかし正反対の趣を持つ2作品の演奏の間に、11/1(土)メンデルスゾーン基金日本支部の<秋の集い>で「パウロ」の話をすることになっていて、これはもう正念場を通り越し我が脳ミソは修羅場を迎えております。が、これがどれも面白くて76歳のバアサマにはもったいなさ過ぎる機会、感謝して今、深呼吸!


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