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ムシカWeb通信


■ 2009/08/10 アグネス・ギーベル

 7/8付「シュッツ合唱団の40年」原稿に関する記事の中で、アグネス・ギーベルについて触れましたが、モントリオールからお便りを下さった太田浩子さん(7/30付)から今日もまた驚きのメールが!

 浩子さんのご主人の元同僚であった C 氏は「環境の歴史」の学者でヨットやウインドサーフィン、そして夜中の水泳を楽む自然児。浩子さんが<パウロ>を歌った話をすると、「今夜は僕も是非<パウロ>を聴こう」と言って、作曲家別アルファベット順に並べられた6000枚のLP(CDではなく)の中からラファエル・フリューベック・ブルゴス指揮、フィッシャー・ディスカウのレコードを選び出されたそうです。浩子さんはその演奏を何度もCDで聴いていたので「東京から送ってもらったアグネス・ギーベル+シュッツ合唱団の演奏が断然よかった」と言うと、「アグネス・ギーベル! 彼女はすばらしい! ぼくの持ってる全部のレコードの中のベスト3の1枚がアグネス・ギーベルのバッハ歌曲集!」と目の色が変わり、書斎の本棚に立ててあったレコードジャケットを見せてくれたそうです。それは、グスタフ・レオンハルトのチェンバロ伴奏、1964年演奏のもので、そこにはレース襟のドレス姿で端然としたギーベル女史の写真が。

「これはとにかくぼくの特別に大事なレコードだから、1万ドルくれるといっても絶対譲らないよ!」

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 私はこの思いがけないエピソードに接し驚きました。幾重にも。

 万事にマイペースで自分の判断に絶大の信頼をおく、というカナダの自然児学者が「絶対に手放さない」と言っている世紀の歌い手アグネス・ギーベルは何度も私に言いました。「あのね、私は天然歌手なんだからね。」

 逆立ちをしても私の口からは出てはこない「私は天然歌手」というこの言葉が発せられると、私は「ははぁ、恐れ入りました。」と平伏あるのみ。どれほど親身に教えられようとも、天然歌手でない人間を天然歌手に変える技というものはこの世に存在しないのです。悲しくも哀れな話ではありますが、こういうことを悟ることから凡才の修業は始まるのです。

 それにしても浩子さんが我々のCD<パウロ>(1993/9/10・於東京カテドラルでのライヴ)の存在を C 氏に知らせて下さったとは! 

 しかもなんと、メールを戴いた今日、2009年8月10日はアグネス・ギーベル88歳の誕生日なのです。

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 愛するアグネス、お誕生日お目出度う!

 あなたの天然の声が、あなたの純粋無垢な感情が、いったいどれほどの場所で、どれほどの長い年月、人々の心と魂を潤し、清め、新しくしてくれたことか! ・・・くれることか! そしてそれはこれからも続くのです。 万感の思いを込めて  あなたのYUMIKO


■ 2009/08/21 Andrew 輝(アキラ)

 8/19 9:30am(ミネアポリス時間) に生まれた子供です。キースと桃子の長男、そしてAudrey 茜の弟としてこの世に誕生。3500gとのこと。予定は今月末のはずでしたが、ぐずぐずしてはいられないとばかりに自分から「今日」と決めて出て来たような顔立ちです。フィンランド人のお祖父さんと日本人の叔父さんの顔を一緒にしたようにも見えます。人間は一人ひとりこうやって女性のおなかから生まれて来るのですね。男の子が生まれるとさらに「不可思議」の思いが増幅します。バッハもドストエフスキーも女性から生まれたなんて。

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