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ムシカWeb通信


■ 2009/08/21 Andrew 輝(アキラ)

 8/19 9:30am(ミネアポリス時間) に生まれた子供です。キースと桃子の長男、そしてAudrey 茜の弟としてこの世に誕生。3500gとのこと。予定は今月末のはずでしたが、ぐずぐずしてはいられないとばかりに自分から「今日」と決めて出て来たような顔立ちです。フィンランド人のお祖父さんと日本人の叔父さんの顔を一緒にしたようにも見えます。人間は一人ひとりこうやって女性のおなかから生まれて来るのですね。男の子が生まれるとさらに「不可思議」の思いが増幅します。バッハもドストエフスキーも女性から生まれたなんて。

 8/23 17:00(日本時間)上荻の本郷教会でサマーコンサートが開かれます。フォルテ・ピアノのことは先日お伝えしましたが、バッハの<詩編51>という珍しい曲も演奏します。この曲の原曲はペルゴレージの有名な<スターバト・マーテル>(ラテン語)なのですが、バッハの飽くなき探究心によって<詩編51>(ドイツ語)に改編されたものです。<スターバト・マーテル>はご存知のように十字架に架けられたイエスを悼んで唱うマリアの歌ですが、<詩編51>は自分の部下の妻バテシバを我がものにしようと、バテシバの夫を戦地に送り殺させてしまったダビデ王の悔恨の歌。というわけで、この編曲では女性→男性とラテン語→ドイツ語という大きな二つの変換が起こっているのです。言葉によって音楽がすっかり様変わりすることに驚かされるのですが、なによりも、こういうことを思いつくバッハのような人の心の中をさらに探検してみたい、という気持ちが最近ますます募って来ました。ご来会をお待ちしております。

 私は<詩編51>を歌ってのち、2週間ほどミネアポリスに行ってきます。


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