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ムシカWeb通信


■ 2012/05/05 ミネアポリスから

 ご無沙汰です! ミネアポリスに来ました。いつも同じことを言っていますが、最初の数日は睡魔と戦うのみで日が暮れます。孫の輝は2歳9ヶ月になりました。実に正確なピッチで歌うことが出来ますが、言葉の喋り方が独特で、「これ、なにィィィィィィ・・・・」と「イ」の部分が上昇グリッサンドします。どんな言葉でも語尾が長く上へ上へと引っ張られるので、新種の言語を聴く思いです。

 5歳半の茜とはすでに大人の女性と会話しているような錯覚が。

「おばあちゃまは子供のときなにになりたいと思ったの?」

「音楽家よ」

「ふうん、なれて良かったねえ。桃ちゃん(この家の子供たちは母親を「ももちゃん」と呼ぶのです)はバレリーナになりたかったんだけど、なれなかったの。シンガーでもいいか、って言ってた。」

「茜ちゃんはなにになりたいの?」

「ピアニストとお母さん。お母さんになって子供の欲しがるものを買ってあげたいの。」泣かせますねえ。

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■ 2012/05/10 今週末

 この週末は東京もミネアポリスも大忙しです。日にちの近いところから。

5/10 木 7:00   5/11 金 7:00   5/12 土 1:00

http://www.circus4youth.org/event_list.php?event_id=173

茜のサーカス学校のSpring Showが行われます。

茜は胡桃割り人形の兵隊さんのコスチュームを着て張り切っています。

目の眩むようなドレスリハーサルを終え、トップ・クラスの驚きの技に興奮醒めやらぬ茜は「最後までやりたい!」

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■ 2012/05/15 てんやわんやの一日

 茜のサーカス・ショウと桃子のコンサートが重なって、5/12 土曜日は朝から家中ひっくり返るような騒ぎでした。桃子は「一つの家に2人パフォーマーがいてはいけない。」と低い声。7つのバッグと衣装を持ってまずは茜を連れサーカス学校へ。本番45分前に集まって待機するのだとのこと。

 午後1時開演。茜は最年少組でバック転とか後ろ向きで平均台の上を歩くとかですが、もう少し上のクラスでは子供12人が玉に乗り、10分近く手を振ったり、フラフープを回したりしながらくるくると場所を移動し誰一人落ちなかったのには驚きました。

 Circus Juventas は3歳から21歳までの幼児、少年少女、若者数百人が学ぶサーカス学校です。ひとりずつの個性と向きを良く観察し、伸びそうな分野を選んで訓練するとあって、競争原理から解放された子供たちは実にのびのびと演技します。

 プログラムが進むにつれ技も難しくなってゆきます。最終番組は空中ブランコでした。飛んで来る相手を掴まえ、もとのブランコに戻す、という役目の少年は、ひざでブランコにぶら下がり両腕を伸ばし、前後にブランコを漕いで相手をしっかりと捉え、そのまま大きく往復し手を離します。相手の子はうまくゆけば元のブランコに戻れますが、一瞬の食い違いで落下することも。落ちた子は張られた網の上で美しくバウンドし、ポーズを決めます。この落ちて立ち上がる練習はすでに茜たちのクラスでしっかりと訓練されています。本番を観ていると、普段練習している課題を人前に披露するまでに3年〜10年ぐらいかかっているように思います。

 さてこのキャッチする少年、飛ぶ方は代わる代わるなのですが、たった一人で10数回キャッチを繰り返します。彼がブランコを降りた時には、さすがに肩にも背中にも疲労感がにじみ出ていました。

 桃子は途中で抜け、コンサートのリハに行ったのかと思いきや、学校で生徒のレッスンがあったとのこと、再び家族が集合したのは Luther Seminary の Chapel of the Incarnation でした。6時半からのコンサートには韓国出身のソプラノとテナー、日系アメリカ人のクラリネット奏者、アメリカ人のピアニスト2人に日本人の桃子という陣容で、それぞれが変化に富んだアンサンブルを組み、楽しい曲が幾つも披露され、最後はロッシーニの「猫の2重唱」、満場が湧いて目出たし、目出たしでした。


■ 2012/05/26 音楽

 ・・ゆっくりと時が流れ、などと言ってみたいのですが、時の速さに追いつけぬ日常は東京もミネアポリスも同じです。

 桃子が Dr.Shin Tanakaという方の始められた奨学金ファンドのためのコンサートで幾つかの歌曲を歌ったのは5/13(日)の午後、共演のチェロ、クラリネット、ピアノの各氏はいずれも桃子にとっては光栄極まりないベテランの方々でした。(於:MacPhail Center for Music)

 ミネソタ・オーケストラのチェリスト磯村幸哉氏の演奏には心底感動しました。どの1音も曲の中の有るべき位置にあるべき姿で登場し、そこにクラリネットやソプラノ、ピアノが溶け込んでひたすらに心地良いのです。音楽が溢れ、その奥に作曲者やその時代を共に生きていた人の精神、そして勿論奏者たちの魂の奥に光るもの、さらに聴き手たちの心にもさまざまな思い出や憧憬、未来へ希望などが沸き上がり共に息づくのを感じました。希有な時でした。

 5月18日 87歳の誕生日を前にフィッシャー・ディースカウが逝き、24日には90歳の畑中良輔先生がお亡くなりになったとの報道。その丁度中間の5月21日には日本中を湧かせた金環日食。記録写真家の風間久和さんが写真を送ってくださいました。あまりの美しさに驚き、SiteMaster のいわたさんにお願いして TopPage に飾って戴きました。どうぞもう一度ご堪能下さい。

 金環日食の瞬間、天体はどのような音楽を奏でるのでしょうか。

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コメント(2) [コメントを投稿する]

_ 大和美信 [弓子先生 御無沙汰致しております。27日のペンテコステのコンサートは、先生がいらしたら、きっと終わった後、素敵な表情..]

_ Y.TANNO [大和さん、やっとなにが起こったのかが分かりました。なんか凄い音が聞こえたという噂を耳にしたので、落雷か?と想像してい..]


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