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ムシカWeb通信


■ 2010/03/16 茜のお父さんが来る!

 「お母さん、あなたのハニーが来るの?」「わたし、あなたのハニーに来て欲しいの」

 結構複雑な言い回し、ほんとうにどうやって覚えるのかしら? 昨日は「良くわたしのお話を聴いて!」と言われてしまった。

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■ 2010/03/09 日々のこと

茜の日本語

 (私がいじっていた<マタイ>のポケットスコアを見て)

「あなたそれ歌うの?」「わたし、お母さんといっしょに歌いたいの」「あなた、ここに立って歌ってね。わたしピアノを弾くから」「大丈夫よ」「わたしも歌いたかったの」

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■ 2010/03/01 お久しぶりでございます。

 いろいろなことがありました。今日までのことを一度にご報告致します。

 2/9(火)粉雪のミネアポリスに到着。桃子と茜が出迎えてくれました。茜の第一声「早く帰って、おもちゃを見せてあげたいの」 輝は「違う顔の人がいる」という目付きで私をマジマジと眺め、おもむろに破顔一笑。この子の顔はどこから見ても喜び一杯、七福神が一度にやって来たようです。

 桃子は金曜日に「ハイチ」の人たちのためのチャリティ・コンサートをするそうです。郊外の教会で、という当初の計画は、ミネソタ・オペラなども上演するORDWAYという大きな劇場が全面バックアップしようという申し出をしてくれたため、内容は大幅に膨れ上り、風邪ひきの身体で80通というメールに返事を書いています。電話も鳴りっぱなしです。無料出演だということですが、名のあるアーチストたちがわれもわれもと出演したい、とのこと、アメリカらしいですね。

 2/12(木)桃子の本番1日前なので、子供たちが興奮して大変でした。茜はベッドの下にもぐり込んで、私の持って来た「インク」を絨毯に空けてしまい、私と桃子で1時間もかかって拭き取りをしました。私の右手は到着早々真っ青です。私もコンサート前はいつもキリキリしていて、家の中でさまざまな事故が起こったことを思い出し、いささかシュンとしてしまいました。桃子に言わせれば「半径3m以内には近付けなかった」とか。

 2/13(金)《HEART FOR HAITI》本番です。普段はそれぞれの舞台で演じているため、なかなか実演を観ることの出来ない歌い手や役者が一堂に会し、それぞれの当たり芸を披露。歌は勿論、ひとり芝居やフラメンコのデュエット、バス歌手が通奏低音まで歌ってしまう男声6重唱、同じく男声室内合唱‘カントゥス’などなど・・・そのうえ出演者全員がステージに座ってすべての演目をお互いに鑑賞。これはかなり凄いことだったようです。桃子は‘Pie Jesu’を歌いました。

 桃子が外出中、2人の子供と私、という時間はなかなか大変なものがあります。茜も輝もお互いに全く同じことをしたり、したがったりするのです。一人は泣けば他方も泣き、一人に食べさせれば片方も食べたがってワアワア言うのです。茜が「おかあさーん、おかあさーん、マミイ、マミイ,おかあちゃーん!! 」と泣きわめくのを見ていると、目の前の現実もさることながら、私の子育て時代が甦り、桃子も太郎も私の留守の間、こうやって泣いていたのか、と戻らぬ過去を思い出して慚愧の念、こちらの方が辛い。

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■ 2010/02/27 サイト・マスターよりアドレスの変更のお知らせ

 古いサーバーから新しいサーバーへblogを引っ越しました。

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■ 2010/02/16 ドイツ・リートの集い

 09年5月〜7月、12月〜10年1月に行ったドイツ・リート講座の受講生によるスタジオ・コンサート<ドイツ・リートの集い>を2/6(土)午後5時より保谷のスタジオで開きました。

 リートは、詩人と作曲家との出会いによって生まれて来たものですので、同じ作曲家でも詩人が変ると音楽も変ります。興味をそそられたので、 マイヤーホーファーとゲーテの詩によるシューベルト、ハイネとアイヒェンドルフによるシューマン、メーリケとゲーテによるヴォルフ、そしてブラームスはまだ一人ですが、彼の良き友であったグロートによる曲を選んで勉強しました。

 今回の講座ではシューベルトからヴォルフまでをひとくくりにしましたので、最初にシューベルト=マイヤーホーファーの<夜の歌>とヴォルフ=ゲーテの<アナクレオンの墓>を大和美信さんが歌いました。シューベルトとヴォルフ1曲ずつを続けて聴く、というのは初めての体験でしたが、さすらいの老吟遊詩人が歌い終わって息絶えるというマイヤーホーファー詩の<夜の歌>からギリシャの詩人アナクレオンへの敬愛と憧憬を歌ったゲーテの<アナクレオンの墓>への移行が思いがけぬ美しさ! これは<レクイエムの集い>などにとっておきたい組み合わせ、と思いました。

 続いて今村ゆかりさんによるゲーテ=シューベルト<トゥーレの王>、マイヤーホーファー=シューベルトの<エルラーフ湖><夜の歌>が歌われました。<トゥーレの王>は『ファウスト』の中でグレートヒェンが昔の言い伝えの話を口ずさむという設定で夢見心地の少女の声、<エルラーフ湖>は実際の舟遊び、<夜の歌>は前述の通り老詩人とそのあたりの夜の静寂を歌った作品で、切り替えに苦労されたと思いますが、今村さんの高く透明な声による<トゥーレの王>ではグレートヒェンの何気ない様子が良く伝わってきました。

 アイヒェンドルフの詩によるシューマンの<リーダークライス Op.39>は全12曲を変則ながら5人の歌い手(大和美信/淡野弓子/松井美奈子/中村光子/淡野太郎)が代わる代わる歌いました。ここでは誰よりもピアノの山川節子さんが大変でいらしたことでしょう。調性もテンポ感覚もそれぞれに異なり、雰囲気の捉え方もいろいろでしたが、一人一人は真正面に音楽に向かっていたと思います。

 幻想的で高踏趣味のアイヒェンドルフにひきかえハイネは語り口が庶民的で時に皮肉っぽく、同じシューマンが作曲したとはいえ、ハイネの詩による<リーダークライス Op.24>はぐっと趣きが変ります。軽妙、洒脱、物事に入り込まずに距離をおいて見る、などこういう歌は音色が難しいですね。Op.24からの3曲<わたしは木陰を彷徨った><私の悩みの美しい揺籃><ミルテと薔薇もて>を玉井千恵さんが高いソプラノで歌いました。40年近くシュッツ合唱団の最高音域を歌い続けた彼女の声の質は透明で硬質、感傷的な部分が無く、驚くほどハイネの詩に合っていて、これは意外な発見でした。

 ブラームスは地味ながら大した歌曲を遺した人です。詩人グロートはブラームスより14,5歳年上ですが二人は良い友人同士でした。グロートの詩に付けられたリートは、ブラームスの歌詞の把握の仕方が、親友同士が我が意を得たりとばかり肩を叩き合っているようで、「親しみ」と「暖かさ」が伝わってきます。歌っていると、我知らず胸が熱くなり涙がこぼれそうになるのでした。<雨の歌><余韻>を柴田圭子さんが、<調べのごとく><郷愁 I & III> を大垣ひで美さんが歌いました。二人とも、曲を外から撫でるのではなく、全身で詩と音楽に入り込もうとする姿勢が非常に良く分かりました。このようなアプローチで勉強を進めると、目にみえない部分がいつの間にか育って、ある日思いがけない花が咲くのではと期待しています。

 詩人が変った途端に曲のたたずまいががらりと変るさまは想像以上で、このことから演奏上のヒントを幾つも与えられました。皆、自分の意志をはっきりと示す演奏で、ドイツ語も思ったよりずっと明瞭に聴き取れました。

 3週間で24曲を準備し、全員の伴奏をして下さった山川さんは、なによりも「言葉」を大切に奏いて下さいました。歌い手ともども良い時間を持てたと思います。

 お客様は84歳の I さんとNさん、76歳のFさんです。なぜわざわざお歳を公表したかといいますと、このお三方とも今もって熱心に勉強を続けておられ、着実に伸びておられる方々だからです。

 同じ志を持った者同士の語らいはコンサートの後もえんえんと続きましたが、行き着く先はやはりアグネス・ギーベル女史の稀なる人物像についてでした。

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