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ムシカWeb通信


■ 2018/11/03 ムシカ・ポエティカより皆様へ  秋のごあいさつを

早や11月、冷え込んでまいりました。

皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

お知らせが大変遅くなり恐縮至極ではございますが、11月9日の<レクイエムの集い>を始めとするこれからの予定ほかをお伝えいたします。

準備を進めております最中の10月13日にソプラノの嶺貞子先生が亡くなられました。ご共演戴いた様々な音楽、数々の思い出が一度に押し寄せ、衝撃と悲しみに襲われております。

嶺先生は長らく東京藝術大学で後進の指導に当たっておられましたが、1979年にフランスから藝大にいらしたピアニストのアンリエッタ・ピュイグ・ロジェ先生と親交を結ばれ、お二人の共演による多くの名演奏を遺されました。ロジェ先生はナディア・ブーランジェの後任としてパリ音楽院で教えておられた方でした。そして、数知れぬ名演奏家を育てたナディア・ブーランジェはフォーレの教え子だったのです。

1994年11月3日、嶺先生は私どもの恒例のコンサートである<レクイエムの集い>でフォーレの《レクイエム》のソプラノ・ソロを歌って下さいました。その時も嶺先生の凛とした歌唱のスタイルには、フォーレに至る不思議な縁の糸が繋がっていることに驚いたことでした。そして、これからお伝えする今年の<レクイエムの集い>でも私どもはフォーレを歌うことになっているのです。 超越的な導きを感じ、頭を垂れずにはおれません。

嶺先生、今は全てから解放され、天空の自由を

満喫なさっておいででしょう。

永遠の安息をお祈り申し上げます。

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ハインリヒ・シュッツ合唱団

創立50周年記念コンサート その4

■<レクイエムの集い>

2018/11/9(金)19:00開演

武蔵野市民文化会館小ホール

今回の曲目はシュッツ《音楽による葬送》とフォーレの《レクイエム》です。時代も国も宗派も異なる2曲ですが、共通しているところもあります。それは両曲とも音楽の根源に潜む力から発し、未来に光を放つという、その曲の存在が歴史を前後に拡大するといったらいいのでしょうか、音楽というものの根幹を流れるエネルギーが真っ直ぐに通った音楽であるということです。当日はそれぞれに精魂を込めて演奏したいと存じます。

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ご報告

ハインリヒ・シュッツ合唱団

創立50周年記念コンサート その3

■<シュッツ音楽の華>

2018/9/21(金)19:00開演

東京カテドラル聖マリア大聖堂

大勢のお客様をお迎えし、<シュッツ音楽の華>を無事終了することが出来ました。ご協力下さった方々、長年に亘りお支え下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。当日の模様や戴きましたご感想は別紙に纏めましたのでどうぞご覧くださいませ。

長年シュッツの研究に携わられ、数々のご論文に加え、ニューグローヴ世界音楽大辞典の36ページ(作品表を含む)にも及ぶシュッツの項目の邦訳を担当された正木光江先生からは、この記念コンサートに寄せて、作曲家シュッツとその音楽についてまことに貴重なお言葉を頂戴致しました。改めてシュッツその人の尊い人格と愛情に触れ、これからの道を照らす光と次の一歩への勇気を与えられた思いです。正木先生、本当にありがとうございました。

カテドラルに、そして私たちのコンサートに初めて登場したバルダキン・オルガンの活躍もお伝えせねばなりません。このバルダキン・オルガンは、オルガン・ビルダーの中西光彦氏が北イタリア南チロルのクールブルク城に残されている歴史的オルガンをモデルとして2005年に製作された楽器で、外観は大きな手ふいごと美しい天蓋が特徴です。驚くべきはその音色で「倍音が噴水のように降ってくる!」と言った武久源造さんの言葉は本当でした。通常の通奏低音のピッチより1オクターヴ上の4フィートからの3和音は、同時に鳴り響く音の周りで踊る星辰のようでした。聴いておられた何人もの方が、一体どこで鳴っているのだろうと上や後ろへ首を回しておられたとのことです。製作者の中西光彦氏もご病体をおして奈良からお見えになり、お聴きくださいました。私と同い年、80歳とのことで、不思議な巡り合わせです。このオルガンの製作を決意され完成に導かれた中西さんのイマジネイションと確かな技術に敬愛の念を禁じ得ません。シュッツはこのような響きの中で演奏していたのだ、という確信を50年目にして与えられたことは、信じ難い贈り物、喜びです。

器楽陣の皆さんも狂いの無い技術とともに、言葉に添ったフレイジング、内容のはっきり分かる音色で正に「これぞ華」でした。バルダキン・オルガンとの溶け合いも素晴らしく、また人の声とも良く合い、ソプラノ、テノール、コルネット、サックバットによる6声のポリフォニックなモテット《無花果の樹を見よ》では、おや、振り間違えたかな、と思った程、声も管も同種の音色でした。

声楽アンサンブルと合唱も、声の発し方、スピード、方向性などがここ数年良く合うようになってきたのですが、今回は50年目にしてやっと一つの根を感じさせるものに成長したと思います。何曲かを一緒に歌ってくださったOB,OGメンバーの貫禄も、講座修了生の新鮮な取り組みも、現役団員にとっては過現未を繋ぐエネルギーでした。最後に器楽奏者も共に《Also hat Gott die Welt geliebt 神はその独り子を賜ふほどにこの世を愛し給へり》を合唱、感謝のひと言に尽きた一夕でした。

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お知らせ

■国際ハインリヒ・シュッツ協会 日本支部[Internationale Heinrich-Schütz-Gesellschaft, Sektion Japan]のHPが開設されました。どうぞご訪問ください。 http://www.schuetz-jp.org

■本郷教会 Soli Deo Gloria 秋〜冬

日本キリスト教団 本郷教会礼拝堂 [無料]

都内杉並区上荻4-24-5 JR西荻窪より北へ徒歩10分 Tel:03-3399--2730

聖書朗読:宮崎新 本郷教会牧師

合奏:ユビキタス・バッハ

合唱:H.シュッツ合唱団・東京、メンデルスゾーン・コーア有志  指揮:淡野太郎

10/28(日) 18:00 SDG No.353

バッハ カンタータ第115番

《備えよ、わが霊よ》

11/18(日) 18:00 SDG No.354

バッハ カンタータ第116番

《なんじ平和の君、主イエス・キリスト》

12/2(日) 12:10(主日礼拝後)SDG No.355

バッハ カンタータ第132番

《路地を整え、道を整えよ》

2019年

1/3(木) 18:00(主日礼拝後)SDG No.356

バッハ 《クリスマス・オラトリオ》第4部

《感謝とともにひれ伏し、讃美とともにひれ伏せ》ほか

■本郷教会クリスマスコンサート2018

12/24(月・休) 17:00 

バッハ カンタータ第91番

《讃美を受け給え、汝イエス・キリストよ》ほか

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ハインリヒ・シュッツの音楽〜音に潜む神の力〜

  講師 淡野弓子

2018年12/8(土)及び12/22(土)

10:30~12:00 朝日カルチャーセンター

立川教室(JR立川駅 駅ビル ルミネ9F)

受講料:7344円(一般) 6048円(会員)

申し込み:朝日カルチャーセンター立川教室

042-527-0411

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■<受難楽の夕べ>

2019年4月12日(金) 19:00開演

三鷹市芸術文化センター「風のホール」

J.S.バッハ《ヨハネ受難曲》

指揮:淡野太郎

合唱:ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京

  &メンデルスゾーン・コーア

合奏:ユビキタス・バッハ

全席自由 ¥4,000(一般)¥2,500 (学生)

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では皆様、深まりゆく秋、どうかゆっくりとお元気に

お過ごしください。お身体くれぐれもお大切に!

2018年11月  ムシカ・ポエティカ 淡野弓子


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