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ムシカWeb通信


■ 2012/01/01 Happy New Year!

 ミネアポリスに到着して2日半ほど強烈な睡魔と戦うのみ、思考は完全にストップしておりました。孫たちは成長著しく、昼間はそれぞれにおとなしく遊ぶ時間が増え、ほっとしています。が、幼子の進化は老人の退化、喜んでばかりはいられません。時のもたらす変化は喜びであると同時に悲しみでもあり、常に心の平静を保ちたければ人は『大悟』に至る必要があります。

 大晦日の夕方、ミネソタ・ダンス・シアターのバレエ《胡桃割り人形》を鑑賞、子供からヴェテランまで150人はいたと思われるダンサー達の努力、精進に思わず涙。このカンパニーの創設者はコレオグラファーのLoyce Houlton、その娘Liseはアーティスティック・ディレクター、ピカ一の踊りを見せてくれたRainaはLiseの娘とのこと。幸いにもLise Houltonを言葉を交わすことが出来たのですが、彼女が抜きん出たアーティストであることは即座に分かりました。彼女は余計なものを背負っておらず、身体も精神もスッキリしています。カーテンコールにも姿を見せず、ロビーには仕事着のまま現れ、客が居なくなると、大きなゴミ袋を引きずって笑いながら去って行きました。

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コメント(3) [コメントを投稿する]

_ 石塚瑠美子 [明けましておめでとうございます!桃子さんと二重唱、うらやましです! やっと]

_ 石塚瑠美子 [やっと私専用のパソコンiPadが開通しました!アドレスは変わりません。まだ使いこなせませんがよろしくお願い致します。..]

_ Y.TANNO [瑠美子さま iPad開通おめでとうございます! リスト《キリスト》、まずはキリストのため、第二にリスト、そして第三に..]


■ 2012/01/03 スウェーデンのクリスマス・ディナー

 ブラウン・クリスマスだったという天候異変のミネアポリスは実に奇妙に暖かく、人々は皆怪訝な面持ちで歩いていました。

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コメント(2) [コメントを投稿する]

_ 大和美信 [あけましておめでとうございます。雪と共に迎えられた新年のミサ 想像するだけで、神秘的ですね。東京は、ずっとお天気で、..]

_ Y.TANNO [大和美信さま スウェーデンのクリスマス・ディナーは真っ白ですから、写真に撮ってもなんの変哲もない「ホワイト・ディッシ..]


■ 2012/01/11 声楽修練

 1/3と1/10にマニヨン女史のレッスン受講。何時受けても驚く事ばかりです。先生は「チャクラ図」を示され、7つの各チャクラの働きと重要性を説かれました。最後に頭上にある「霊性」のチャクラについては極めて厳粛に語られました。この東洋の教えと西洋のヘルムホルツとセディエによる科学的なメソッドとが一つとなって、初めて歌唱芸術は完成に向かうのだと思います。ここではもはや、東洋も西洋も無い世界といえます。

 Delle Sedieのメソッドはチャートから倍音唱法へ。第1倍音から第2倍音(オクターヴ上)、そして第4倍音(2オクターヴ上)への練習はアグネス・ギーベルの許で12年間やったお蔭で、スルスルと出来るのですが、今回は、第1倍音を第2倍音のひびきで発声し、オクターヴ上へ行くも、その音を第1倍音にするという練習。この二つの跳躍が出来ると、どの音も自分の欲しい音色を作る事が出来るのです。また一つのピッチで音を伸ばしながら途中で音色を変えることも可能になります。この練習のお蔭で、私の中音域は以前より表現がしやすくなりました。先生は「Listen, Yumiko!あなたの声はマーラーの《大地の歌》にピッタリですよ。今度はマーラーを持っていらっしゃい。」自慢ではないですが、歌を褒められたことが極めて少ない私の「声ガ苦」人生で、こんな大曲を薦められたことなど、無論皆無でしたから、私はのけぞってしまいました。いつの日か、ひょっとして歌える日が来ましたらどうか聴いてやって下さいませ。


■ 2012/01/15 日本の ‘讃美歌’ とは?

 あれよ、あれよという間に今年もすでに2週間が過ぎようとしております。水曜日の夕方から家を空けシカゴへ向かった桃子がさっき(土曜日夜8時半)帰ってきました。今回、子供たち、全く母親の不在に動ずることなく、羽を伸ばし、好き放題の3日間を満喫しました。半年前には、朝起きて、母親のいないことに気付いた輝は、このまま脳みそが爆発してしまうのではないかという程泣きましたから、私としては戦々兢々だったのですが。

 桃子は GlobalとLocalを合わせた ‘Glocal Mission Gathering’ というセミナーに参加し、感動の面持ちです。米国の福音ルーテル教会の主催で、お互いの民族に根ざした賛美歌を教え合うという試みです。スーダン、ボリビヤ、プエルトリコ、トンガ、インド、フィリピン、ラオス、インドネシア、韓国、日本、ブラジル、アラスカなどから50人のミュージシャン、ダンサー、牧師、高校生などがすべて招待されて集ったということです。

 ところで我々日本人は「日本の賛美歌を」と請われても、ほとんど西洋和声の歌ですから、オヤ、どうしましょう?ということになるのですが、桃子と一緒に懸命に考えた挙げ句、やはりこれではないの、という歌、それは生月島に伝わる隠れキリシタンのオラッシャ(祈り歌)です。禁制のキリスト教を信仰し、密かに口移しで伝えられた、元はグレゴリオ聖歌であった歌の数々は、言葉も旋律も日本の土俗の生命力と混淆し、泥臭さを残したまま精錬されたとでもいうか、歌っても聴いても「素晴らしい音楽」なのです。私はこの歌を柴田南雄作曲《宇宙について》で知ったのですが、ここに出現する ‘キリヤ デンズ クリステ レンズ パチリ ノチリ ケーセン セーリア サンチモ センチモ ノーメン ツーア スペレヤ レ レン ツワ’ は忘れようにも脳から出て行かない「歌」の一つです。勿論、『讃美歌21』には収録されていません。・・・「おらっしゃ」の採譜を、いかなる形にせよ、引用することをお断りする・・・との柴田先生のお言葉ですが、この歌は、「譜面」からのものではないところに本来的な意味があるのでしょう。

 そんなこんなの日々でしたが、明日の午後こちらを発ち、1/16月曜日の夕刻、成田に着きます。そのまま練習場へ行きますので、シュッツ合唱団の皆々様、よろしくお願い致します。


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