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ムシカWeb通信


■ 2011/09/15 シュッツ《宗教合唱曲集 1648》

 多忙を極めすっかりご無沙汰でした。お許し下さい。シュッツ《宗教合唱曲集 1648》全29曲がこれほどの重さでのしかかって来たのは初めて体験です。

 いよいよ明日に迫ったコンサートですが、ここにプログラム記事の一部を掲載しご挨拶に代させて頂きます。いらしていただけたら感謝です。 

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■ 2011/09/22 台風一過

 晴れ渡った青空の下、我が家の南正面、三角中央の屋根瓦が落ちていた。剥げかけていた雨樋の白ペンキもほとんど丸坊主で、錆び茶の肌が悽愴感を煽る。きのうのお昼前に「今日の練習は?」とメールを下さったYさんに「私と太郎は行こうと思っています」と返事をしたものの、夕方になって都内周辺の交通機関がほとんとストップしているとのことで、慌てて団員に連絡を始めたのが午後5時過ぎだった。なんとか全員に伝わり、クロイツ教会に練習はしませんとメール。これだけのことなのに、ぐったりしてしまい、折角の臨時休暇なのになにをする気も起こらなかった。3.11以来自然に翻弄され、かなりのエネルギーを消耗している。

 9/16(金)のコンサート、シュッツ作曲《ガイストリヘ・コーアムジーク1648》は特にこの曲には特別の思い入れのあるお客様方の暖かい心に囲まれ、お蔭さまで無事終了。この曲集は規模が大きく、内容が深く多岐に亘っているので、慎重に準備した。特に今回は各曲のテキストの語り手、詠み手の個人性を大切にした表現を心がけた。ヤコブ、イザヤ、ヨブ、ダビデ、黙示録のヨハネ、洗礼者ヨハネ、パウロ、そしてイエス・キリスト。さらにコラールの歌詞作者ルター、プロイセンのアルブレヒト、シャリングなどなど、その都度これらの人物に成り切って次から次へと歌うということは、下手なオペラより大変な仕事であった。しかし面白くもあった。なによりシュッツがこれらの人物の本質を良く捉えているのに感心した。彼はなんといっても演劇作家である。 

 大きな仕事の前にはいつも飛んでもないことが起こる。9/10(土)午後4時半過ぎ、いつもしている真珠の首飾りの糸が切れ、床に珠が一つ転がった。瞬間「杉山先生が!」との思いがよぎり、すぐにえりさんに電話しようと思ったが、「落ち着け」と我が心に言い聴かせ暫くじっとしていた。5時5分前ごろ電話。えりさんだ。「父が・・・The End です。」

 8/16(火)に病院に伺った時は、お渡しした9/16の招待状と「便り」「シュッツ40年の軌跡」など、細かい字をすべて読んで下さり、「ああ、元気だったら行くのにね」と仰った。「弓子さんは幾つ?」「73歳です。」「ああ、若いね!」とにっこりされ、返り際には Vサインで送り出して下さった。先生のお顔は去年位から日に日に穏やかになられ、この世の時間の中で、時でありながら時の束縛を超越した、イエスの約束する『永遠の生命』を生きておられることがはっきりと分かった。

 9/14(水)、近親者のみのご葬儀に参会を許され、そこで詩編121「我、山に向かいて眼を上ぐ」(武久源造作曲)を歌う。「視よ、イスラエルを守る者はまどろむことも眠ることもなからん・・」で水色のシャツを着たえりさんがサアッと音も無く走り込み、身体中で亡き父・杉山好氏に思いを迸らせた。「主は汝を守るものなり。汝の右の手をおおうかげなり。」「昼は日、汝をうたず。夜は月、汝をうたじ。」この節が終る頃、彼女は居なくなっていた。歌いつつ、踊りつつ、時なき時を共に過ごすことが出来た。えりさんは葬儀のあとで、「過去世も今も未来も一つだと思う」と言った。

 9/21(水)新聞に杉山先生の訃報が掲載された。

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コメント(6) [コメントを投稿する]

Before...

_ eri sugiyama [I love!! yumiko momoko akenechan THANK YOU THANK YOU SO MU..]

_ eri sugiyama [ごめんなさい綴り間違えました。I LOVE AKANECHAN ! 本当にいつもありがとうございます。とこしえにど..]

_ Y.TANNO [えりさん! 大きな沢山の愛をありがとうございます。よく考えてみれば、確かにえりさんと桃子、茜にはパフォーマーとしての..]


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