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ムシカWeb通信


■ 2012/05/05 ミネアポリスから

 ご無沙汰です! ミネアポリスに来ました。いつも同じことを言っていますが、最初の数日は睡魔と戦うのみで日が暮れます。孫の輝は2歳9ヶ月になりました。実に正確なピッチで歌うことが出来ますが、言葉の喋り方が独特で、「これ、なにィィィィィィ・・・・」と「イ」の部分が上昇グリッサンドします。どんな言葉でも語尾が長く上へ上へと引っ張られるので、新種の言語を聴く思いです。

 5歳半の茜とはすでに大人の女性と会話しているような錯覚が。

「おばあちゃまは子供のときなにになりたいと思ったの?」

「音楽家よ」

「ふうん、なれて良かったねえ。桃ちゃん(この家の子供たちは母親を「ももちゃん」と呼ぶのです)はバレリーナになりたかったんだけど、なれなかったの。シンガーでもいいか、って言ってた。」

「茜ちゃんはなにになりたいの?」

「ピアニストとお母さん。お母さんになって子供の欲しがるものを買ってあげたいの。」泣かせますねえ。

 ミネアポリスにいそいそと来る理由は孫のほかにマニヨン先生のレッスンです。三日前の火曜日に伺い、ブラームスのヴィオラ、ピアノ、アルトのための《二つの歌》を勉強しました。

 「声帯から声を離さぬこと」がこの日の教えです。うっかりしていると弱拍で声帯から声が逃げ、その後が高音だったりすると必ず失敗です。集中力が問われる技術ですが、子音のタイミングと母音の置かれるべき位置を精確に知らせ、一石三鳥です。

 来春2月4日(月)にリサイタルを予定しています。昨年の秋ごろから曲目選定に悩み、ここ10日ほどは苦しみもピークでしたが、なんとかまとまりそうです。マニヨン先生は‘リサイタル’と聞くやさらに厳しくなられました。


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