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ムシカWeb通信


■ 2017/09/18 独日協会合唱団&シュッツ合唱団・東京 交歓演奏会

 9/11(月)ベルリンへ向け列車で移動。この日は独日協会センターのホールで独日協会合唱団との交歓演奏会です。準備を進めて下さり、ツアーコンダクターでもあるカトリン・シュミットさんが、月曜日という日の集客を最後迄心配されていましたが、なんと満席。

 ‛独日協会合唱団′の<ほたるこい>で開幕。ドイツ人も日本人も共に日本語で「ホ、ホ、ホタルこい」と迎えられた時には、これまで “独日文化交流” などという表現で難しく考えていたことがスッと消え、我々シュッツ合唱団の気持ちもパッと開いてメンデルスゾーンの<Abschied von Walde 森をあとに>で返礼。続いて ’独日′が シューベルトの《鱒》をモーツアルト風、ベート−ヴェン風、ワグナー風の編曲でそれは面白く歌い、我々は An die Nachtigall と題して夜鶯にまつわる歌を歌いました。そのあと ‛独日’ の野崎織音さんがロッシーニの《アルジェリアのイタリア女》からのアリア<Cruda sorte>が堂々と披露され、盛り上がったところに Homesong medley と題された数々のドイツの歌。最後には太ったバリトンの男性のソロと合唱で、有名な<Berliner liebt Musike>が歌われ雰囲気は最高潮に。予定では休憩のあとに我々のステージということだったのですが、カトリンさん曰く「休憩のあとで人が帰ってしまうと惜しいから休憩無し」とのことでなんとこのベルリンソングのあとすぐに我々のシュッツ<Veni rogo 来れ王よ>を歌うということに。そしていよいよ武久源造作曲《万葉集》です。

 《万葉集》は「いろはにほへと」によるファンタジアに始まり「なかなかに」「恋い恋いて」「にぎたずに」(ソロ曲/合唱曲)、「ひんがしの」がそれぞれヨーロッパの中世かた後期ロマン派までの作曲技法を駆使して作られており、日本語の歌詞が分からなくても音楽によって話が伝わるというもの。作品については次の機会に譲りますが、「船が出ようとしている」とか「日が沈み月が昇る」といった内容がすべて伝わったのには驚きました。続いてルターの歌詞によるシュッツのモテット<Vereih uns Frieden われらに平和を>を歌い終幕。

 終演後は食事会。ここでは飲めや歌えやの騒ぎになり、日本の「花」に始まり童謡を次々に歌って最後は「第9」。やはり異国で同朋の人に出会うと独特の情緒が湧いて来るのでしょうか。笑いあり涙ありの素晴らしい邂逅でした。次回はエアフルトでのコンサートをお伝えします。


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