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ムシカWeb通信


■ 2016/02/22 淡野武司洗礼式 FBより

 2016年2月21日(日)聖アンドリュー教会 10時30分(ミネアポリス時間)の礼拝にて。

 少年少女聖歌隊の合唱に始まりオーケストラがメンデルスゾーンの《String Symphony #9 inC》より第一楽章、7、80名から成る大人の聖歌隊がヴィヴァルディの《Gloria》から「Et in terra pax hominibus」、シューベルトの《Missa in G》ほかを次々に演奏し祝典的な気分の横溢する礼拝が進行するなか、いよいよSacrament of Holy Baptism へ。嬰児2人の幼児洗礼のあと Takeshi Tanno の番に。家族も前へ出て洗礼盤の傍らに立つ。盤の水が牧師の手から3度武司の頭に付けられクリスチャンとなった彼に300人はいたと思われる会衆から大きな拍手が!

 ミネアポリスは北欧と気候や自然の風景が似ているらしく、スカンジナヴィア系の移民が多い州のため、「真っ白しろの教会(建物ではありません)」と桃子が言ったほど肌の色がちょっとでも茶がかっているだけでけ緊張が走るような雰囲気があったのだが、この頃は説教にも差別の問題が多く採り上げられるようになり、教会員の考えも随分変わったとのこと。今度のように日本人のしかも老齢の男性をここまで歓迎してくれた背景には、この教会の牧師たちの信仰と教化啓蒙の力に負うところが大きいと感じた。

 輝が「なんでおばあちゃまは今日洗礼を受けなかったの?」と訊く。「もうずっと昔に日本で受けたのよ。」と私。「じゃあなんでおじいちゃまは今迄受けなかったの?」「鋭いね」と武司。「洗礼は自分で決められないんだ。神様がお決めになることなの。」「ふーん・・」と輝。6歳の輝がなにをどう理解したかは分からないが、彼にとっても強い記憶として残る日となったことだろう。茜も輝も朝5時ごろに眼を覚まし、夜は夜で毎日一つずつ読むお祈りの本を次から次へと読んでは興奮していた。武司はこの2人を日曜学校の聖歌隊に送り迎えし、牧師と言葉を交わすうちに決定的な「時」に遭遇したようだ。「子供たちの口に与えられた讃美の歌」のパワーを眼のあたりにした思いである。


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