2/11(金)ブラームスの<Von ewiger Liebe 永遠の愛について>と<Die Mainacht 5月の夜>を歌いました。全体を音楽的に歌うことに関して、お前は excellent musician だ、と認めて下さるも、細部に関しては、まだまだ、もっともっと表現の方法がありますよ、と極めて厳しいご指導を受けました。先週と同じように「一語一語」です。先生は、生徒に指示されたことはすべてご自分で歌って下さるのですが、「深い声が言葉とともに踊る」のです。さらに云えば「発せられた言葉の中に歌い手の愛が感じられる」のです。
今回、声の音色をどのように用いるかということを徹底的に教えて下さいました。ドラマの始まる前の風景描写の中に、すでに次に始まるドラマを予感させる音色をそっと忍び込ませておくこととか、臨時記号や転調の際の音色の変化についてです。
私が一番ハッとしたのは、「言葉(word)にはそれぞれリズムがある。そのリズムを掴まえてそのリズムで歌う」ということでした。ここでいう言葉はまさにあらゆる単語を指し、冠詞であろうが、前置詞であろうが、あらゆる単語はその単語にしかないリズムがあるのです。
もう一つ、練習曲としてポーリーヌ・ヴィアルド(Pauline Viardot 1821-1910)の書いたヴォーカリーズを歌いました。当代きってのメゾソプラノで作曲家でもあった女性です。この人は、例の「声の色のチャート」を発見したセディエ(1822-1907)の理論に基いて発声のエチュードを書き、また非常に美しい歌曲も遺しています。面白いのは、ポ−リーヌはリストのピアノの弟子で、リストも彼女の歌唱を評価し、推薦したりしていることです。
TopPageでもお知らせしましたが、今年は<リスト生誕200年>、これを記念し、ムシカ・ポエティカではリストの知られざる宗教作品をシリーズでお届けすることとなりました。毎日「リスト、リスト」と騒いでいたわけですが、いきなり、リスト→ヴィアルド→セディエと3人が繋がってしまったので、驚くやら、嬉しいやら・・・!!!
この3人についてはまだまだ興味深い話があるのですが、段々にお伝え致します。
ミネソタは本当に寒く、ガレージに1分立っていただけで身体の芯まで冷気が走ります。買い物も、車に積んだままあちこち走っていると食物が凍ってしまうので、時間のやりくりが大変です。子供たちは毎日信じられない行動に走るので私の心臓は? 大丈夫、まだ生きております。