ムシカWeb通信

２月４日

　なにを隠そう、私の生まれた日でありまする。

73年前のことでありまする。生まれた時の五体と今の五体、若干の違いあるとはいえ、大まかなところは同じでありまする。これ人類七不思議の一つ。

　先ず生んで呉れた母に感謝！　種を与えた父に感謝！　父の話によると、新婚初夜に私は宿ったらしい。これ以上の感激がこの世にあろうか！　ありがとうございました！！！（暫し感涙にむせぶ私。）父も母もすでにあの世の人、しかし、私は生きておりまする。

　あなたがたの望みとはほど遠い人生、良く分かっておりまする。あなたがたは私を医者に、とお望みでした。おん母は「白衣を着て、聴診器を胸にぶら下げているあなたの姿を何度夢見たことか」と仰せられました。残念でございました。お孫さまが一人医学の道を進んでおられます。これをもって良しとせられますよう、心よりお願い申し上げまする。

　私、あなたがたが、「向いていない、合っていない」と日々ご忠告下さいました「歌の道」、いまだ諦めには程遠い境地、明日も、敬愛の師、エリザベス・マニヨン女史のレッスンを、米国ミネソタ州セント・ポールで受講の予定にござりまする。

　本来的意味における「医者」にはどうあがいてもなれませぬが、「声」の出し方に悩まれる諸兄諸姉のお手伝い、いささかの確信に至りました今、なんらかのお手伝い、させて戴きとう存じます。

　73年前の今日、ご両親さま、喜んで下さったのでしょうね。私の誕生を。私も、言うに言われぬ思いで身体ははち切れそうとはいえ、根源的な意味でこの世の生を感謝致しておりまする。重ねて御礼申し上げる次第でございます。