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ムシカWeb通信


■ 2007/09/25 淡野桃子のブログより●ボストン便り

 こちらに来てから早くも1ヶ月以上が過ぎてしまった。この最近の茜の成長に目を見張る毎日である。

 まずこのひと月で背がにょきっと伸び、持って来た服がすべて短くなってしまった。足もいつのまにか大きくなり、今日出かける前に靴を履かせたらきつかったのか、すぐに脱いでしまったので、もう一足の少し大きめの靴を履かせたら満足。

 このところ食べるもののレパートリーがぐっと増え、ほとんど大人の食べる食事をそのまま食べられるように。あまり好き嫌いはないのに、美味しいものはよく食べ、そうでもないものを生意気にも床に落としてしまう。歯も下の2本に加え、上の2本も生え始め、ご飯もおっぱいもよく食べ、よく飲む。

 寝かせるのがいつも大変なのが、最近だいぶん楽になった。しかし、成長期なのか、食欲がすごくてまた夜中に必ず起きておっぱいを欲しがるように。朝も6時や7時頃起きてしまい、前はまたすぐ一寝入りしてくれたのに最近は起きてしまって、散歩をせがむように・・・ お母さんは寝不足ですよ!

 劇場の借りているアパートで、ちょうど茜の上の部屋に運悪く演出家兼、伯爵、ドン・ファン役のドミニクが! 可哀想に茜が泣くと彼の目が覚めてしまうので、本当は少し泣いても泣かせておくと泣かなくなるのだが、最近はあきらめてほとんど泣かせずにおっぱいをあげてまた寝かせてしまっている。そんなわけで、昼間は茜が昼寝する間わたしも昼寝をするように。

 母乳をやりながら舞台を連日やったため、ミネアポリスで3月頭に始めたDon Juan GiovanniとFigaroの衣装がぶかぶかになり、この間9cmも詰めてもらう。体重計はないのでなんとも言えないがどうやら妊娠前の体重には戻ったようだ。体重は減ったものの、体型は勿論変わってしまったが、気にしてはいられない! しかしこんなに詰めてもらうとまた太ったらどうしよう、とちょっと不安になる。

 舞台のスケジュールは二つのオペラ芝居を毎週混ぜて5本上演。よくスケジュールを見ないとどっちのオペラをやるのかわからない! しかも役者全員が両方のオペラに違う役で出演。両方観るととても面白いと思う。月曜日は必ずお休みで、そのほかに木曜日または金曜日にお休みがもらえる。昨日は日曜日だったので、前から行ってみたかったボストンのエマニュエル教会へ母と茜と出かけた。そのエマニュエル教会では1970年来、バッハのカンタータを毎週日曜日の礼拝で演奏している。礼拝で思いがけずシュッツのコンツェルトを聴き、母が思わず涙。そこの常任指揮者クレイグ・スミス氏は病気でその日はあいにくお休みだったが、会いたい旨を教会の方に告げると、彼に連絡を取って、早速こちらに連絡を下さった。何と彼はすでに母のメンデルスゾーン「パウロ」のCDを持っていらっしゃり、彼も母に会いたいといってくださっているとのこと。本当にびっくりした。その教会でやはり時々指揮している作曲家のジョン・ハービソン氏にも私は会ってみたいと思っているので来週また行ってみようかと思う。ハービソン氏はアメリカの歌曲、合唱曲が有名な現代作曲家で、シュッツが大好きだそうだ。私は前々から彼の作曲した「ミラバイの唄」という歌曲集を演奏したいと思っている。

 このケンブリッジの街は実に落ち着いていて煉瓦がたくさん、美味しいものもたくさん、ミネソタに帰りたくなくなってしまうなあ! 母も隣のパン屋さんをはじめ、この街を大変気に入り、住みたくなるわ、と。ただ、難を言えば、街を歩く人の半分以上がハーバード大学のTシャツを着ていることね、と一言。それは・・・ 新学期でみんなうれしいのでは???


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