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ムシカWeb通信


■ 2016/12/26 スカンジナヴィアのクリスマスディナーについて  FBより

 マッシュポテト、ホワイトクリーム、白いソーセージ(今年は少し色がついていたが)、クランベリーソース、紅い林檎の入ったフルーツサラダ、これらは付け合わせ。メインは想像を絶する食物「 lutefisk 」。ブルブルの透明なゼリーのなかでときどき現れる白い身はその昔ヴァイキングが保存食にしたという鱈だそうだ。味無し。2年前ここミネアポリスで初めて出会った。食事中に交わされた会話の中で「藁」「白樺の灰」という言葉が印象に残った。この時は、藁はイエスの誕生、灰は死、 lutefisk は復活を意味し、周りの白いものは羊、紅い林檎がイエスの血なんでは、と勝手に想像し興奮。

 さて、ミネアポリスで父はフィンランド人、母はスエーデン人というキースと結婚した桃子は、嫁いだ家の伝統食をお姑さまから厳しく伝授され、今はスイスイとものの1時間ほどでこのディッシュを作ってしまう。この珍しい食卓に招かれた私は透明ブルブルのイエスさまに再びお目に掛かり暫し瞑目。 生の鱈が「藁」と「灰」の力を借りて透明なゼリーに至るという過程が気になり、これはひょっとして人間が悟りに至る道程を示唆しているのではとの妄想が胸を過り震えた。理由(わけ)あって熟読中の奇書『心理学と錬金術』(C.G.ユング1944)のせいかも。


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