そして、今日は、ドルトムントで行われている合唱フェストに行ってきました。合唱といっても、ほとんどはゴスペルやポップス。そして、フォーク・ソングです。
朝から、町のメイン・ストリートが歩行者天国になっていて、野外ステージや教会を含めて15の会場があり、20分交替で、あちこちから駆けつけた様々なコーアが歌う。夜には、有名なコーアの、大きなコンサートもある、というもの。
最初に聴いたのは、お婆さんたちの合唱、
彼女たちが歌っていたのは、アメリカのゴスペルだったけれども、それを聴いていて、何か、下腹の辺りから込み上げてくるものがあり、それが、喉のところに来たとき、思わず、叫びそうになり、その叫びは無理やり押し殺したんだけど、それが眼のところに来たとき、不覚にも涙をこぼしてしまいました。
それは、いったい、何だったのか。
一生懸命考えました。
答えは、やはり、倍音列です。
倍音の力が、私の太古の記憶を呼び覚ましたかのようです。
それは、ドイツに到着した最初の日に、トイレを流す音に倍音を聴いて以来、私の体が、調律されていたせいかも知れません。
合唱フェストは、音楽的には、まあ、大したことはありませんでした。半分以上は、アメリカナイズされた音楽でした。その点では、日本と全く変わらない。
ただ、それでも、ドイツの合唱の力は、まだかろうじて失われていない。お爺さんお婆さんから、子供たちのコーア、青年5人組のアカペラ・グループなどもある。歌の技量も様々。しかし、そのハモり方とリズムの作り方が、実にいい。
あちこちの店で、いろいろなビールを飲み、ソーセージをかじりながら、一日中飽きもせずに、無数の合唱を聴いてきました。