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ムシカWeb通信


■ 2011/08/08 その後のいろいろ

 7/23の予告以来ずっとご無沙汰でした。いろいろございました。

 7/23 発声学会「歌の集い」が終りました。70歳を境に徐々に段々にそれとなく「歌」への比重を増やしていった私でしたが、昨年来のセディエ→マニヨンの声の技法によって、なんと少しずつ私の声は明るくなっていったようです。この現象はいわゆる筋肉系の鍛錬とは異なり、もっぱら頭の中が整理され、納得したことによるもので、人間の不思議さを実感する日々でもありました。迷いが晴れれば声も晴れる、とひと言で言ってしまうにはあまりに長い苦労でしたが、これほどのスッキリ感が待っていたとは! 

 普段から私の「声」「歌唱」に関心を持って下さった方々からのご感想です。

「昨年のシューマンとは雲泥の差です。よくぞここまでがんばりました。」80代声楽家の方

「三宅春恵先生を思い出しました。」60代声楽家の方

「声がすっかり明るくなって。こういう年代でも人は変るんですね。」耳鼻咽喉科のお医者さま

 誠に、まことに感謝あるのみです。有難うございました。

 この次の日から9/4(日)15時開演 の第二回「歌の集い」ドイツ系 の準備に入り、再び世話役三名、メール会議の毎日となりました。今度は四人の歌い手によるドイツ・リートの会、非常に落ち着いたプログラムで楽しみです。

 7/25(月)、7/27(水)のシュッツ合唱団の練習は、<ガイストリッヘ・コーアムジーク1648>の練習に加え、<ルカ受難曲>をさらいました。8/2と8/3に録音をすることになったためです。実はこの曲、2年前に録音を終了していたのですが、さまざまな理由でリリースがのびのびになっていました。そして、この間、震災一ヶ月後にこの曲をカテドラルで歌ったところ、ソリストも合唱も2年前とは全く違うのです。これはもう取り直ししかないだろうということで、小島さん(コジマ録音)始めソリストの皆さんにも無理をお願いし、再録音ということになりました。

 8/2(火)、8/3(水) 三鷹市芸術文化センター「風のホール」で<ルカ受難曲>を録音。やはり内容的にも技術的にも整理された、という感じです。特に、無伴奏単旋律で進む福音史家、イエス、ピラトの長丁場は、演奏会とは全く違う緊張を強いられ、これはまさに至難の技といってよい領域ですが、皆2年前より格段に良くなっていました。

 

 この間、ミネアポリスの孫、輝が「川崎病」に罹患、小児救急病院で入院生活を送っていました。高熱が続き、目は充血し、頭部には発疹、口内や舌が真っ赤になるなど、周囲はただ驚き恐怖にさらされる症状です。輝は数日間母乳のみでがんばり、「川崎病」との診断後は適切な治療を受け、御蔭さまで今はケロリとしています。両親が揃って休暇中の出来事だったのが不幸中の幸いでした。輝はあと十日ほどで満2歳です。

 シュッツ合唱団は今夜から再び<ガイストリッヘ・コーアムジーク1648>の練習です。我にとっての母乳であり、またシュッツ言うところの「固い胡桃」(正しい作曲法における真の核、真の基礎)ともいえるこの曲集、歌う度に、心身が内側から変えられて行くのが分かります。


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