トップ «茜のお父さんが来る! 最新 祝・復活祭「主に向かって新しき歌を歌え」»

ムシカWeb通信


■ 2010/04/03 ミネアポリスより

 またまた長いご無沙汰でございました。何から書いたらよいのか、本当に頭の中がぐちゃぐちゃでその上ミネアポリスと東京の時差は14時間、ほぼ昼夜逆転で子供達が時差などということに全く無頓着ですから、常に誰かが起きていて、きゃあきゃあ、ギャアギャアとうるさいことこの上ありません。私のか弱い脳みそはとっくの昔にどこかへ流れ出し、ただただ眠い・・・ 助けて〜〜〜

 茜が言います。

 「起きた方がいいよ」

 「折角朝なんだから」

 「夜になっちゃうよ」

 飛行機がドンと着陸した瞬間、茜はひとこと冷静に「アメリカ」と言いました。輝のなんともいえぬ安心したような顔も印象的でした。

 輝といえば、彼は私の「歌」を気に入ってくれています。彼は私に気を使ったり、慰めようとしたりではなく、私の歌声を聴くとすぐにニコニコし、「キャッ、キャッ」と手足をバタバタさせて興奮します。またある時は歌を聴きながらおとなしく自分のおもちゃで遊びます。特に子守り歌が大好きで、毎回至福の笑顔で寝入ってくれます。こんなに嬉しいことはありません。私の声と歌が実生活に役立つ日がやっと来たのです。

 彼は「ウゥウゥ」といって歌をせがみますが、疲れているときは「蝶々」と「ブンブンブン」で我慢して貰います。この2曲はド、レ、ミ、ファ、ソの5音のみで歌えるのです。誰でも使える「5音」です。この2曲がどれほどよく出来た曲か、試してみて下さい。ロンドンブリッジは残念なことに6音必要で、ドングリコロコロとなるとなんと1オクターヴです。

 調子の良い時はシューマンの歌曲を歌います。ドイツ語では分からない、などと言わないところが輝の素晴らしいところです。これが茜となると「あなたが歌うと、わたしはテレビの声が聞こえないの」と。このように子供の耳は自然音から機械音へ、眼は生身の人間の動きから電波芝居へと移行し、いずれ地球も人類も滅びるのでしょう。

 今日は聖金曜日でした。こもれびホールの<マタイ>からなんと2週間が過ぎ、東京では4/4(日)午後6時 上荻の本郷教会で<復活祭オラトリオ>(バッハ)が演奏されるはずです。成功を祈ります。


編集