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ムシカWeb通信


■ 2016/11/27 くぐもった幽かな声でも・・  FBより

 祝・待降節第一日曜日

先日来のバッハ・カンタータ36の練習でずっと考えていたことですが、神の贈り物に対して人間の側から感謝の気持ちを捧げるという場面で、バッハは「schallet=響く」という言葉にスタッカートを付けています。発声技法から考えると、5線譜上の音高の1〜2オクターヴ上の倍音の響き(いや人間の耳には聴こえないにせよさらに上のオクターヴの振動も)を実音に乗せ、音の色を軽く明るくするのですが、この部分の歌詞は「Denn schallet nur der Geist dabei/So ist ihm solches ein Geschrei/Das er im Himmel selber hört. なぜならそこではただ聖霊が鳴り響き/それを轟く叫びにとし/天では神ご自身がお聴きになるのです。」とあり、前半の「Auch mit gedämpften, schwachen Stimmen/Wird Gottes Majestät verehrt. くぐもった幽かな声でも/神の威光を崇めることが出来るのでは・・」を説明して余りある内容となっています。バッハの音楽はこの歌詞の言わんとしていることに加え、われわれ人間がどのように歌ったらそれが神に届くかを示唆しました。

 ギーベル先生が何度も歌われたこのアリアを今日は私が歌うこととなりました。長いこと聴き、ここ数週間毎日練習した歌ですが、今朝「アッ、アドヴェントだ!」と思った途端、このアリアの言わんとしていることにハッと目覚めた次第です。

本日のSDG:日本キリスト教団本郷教会礼拝(10:30開始)後12:10ごろから始まります。http://www.musicapoetica.jp/schedule.php


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