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ムシカWeb通信


■ 2014/10/07 バッハ・カンタータ第95番 FBより

 一昨日:クロイツ教会の礼拝後新しい讃美歌集を歌おうというという催し。ドイツ人にドイツ語の歌い方を教えるというのは、あまり嬉しい仕事ではないのですが、今やこれが私の仕事、がんばってきました。その昔、アグネス・ギーベル女史に死ぬほど叩き込まれた「ドイツ語の歌い方」をドイツの皆様に伝授。これぞ文化交流。

 この日の夜に予定されていた会合が台風のため流れたので、急遽SDGに参加しようと本郷教会へ。「歌う」か「聴く」が迷いましたが「歌う」側に。これ大正解。皆様、バッハ・カンタータ95番をご存知ですか? 私は初めて歌ったのですが、なんと、なんと一大傑作でした! 「死」を扱っているのですが、とてつもなく明るく、「死」を欲し、「死」を喜び、「死」を待ち望む歌でした。「死」は肉体の死のみを意味しません。この世の常識、しきたり、皆が言っている、などなど、人間界のゴチャゴチャを一度葬り去って、真新しい己の「心」「精神」「霊魂」を取り戻す、ということを「死」の一語に託し、その意味するところをバッハは手を替え品を替えて我々に示し、説得に務めます。依田さんの高い、高いテノールと弦楽のピチカートからなる「弔鐘」の歌、わたしは全身が溶けて無くなるのではないかと・・・。このカンタータに出会えたこと・・・台風なくしてあり得なかった千載一遇のチャンスでした。感謝!!!


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