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ムシカWeb通信


■ 2012/06/04 武久源造『ドイツ通信』 その1 (5/31)

今、ヴェストファーレンにいます。

ヴッパータールです。

毎日、チェンバロとオルガンを弾いています。

Saalという夫婦の家に泊まっています。

今日は、近くの学校で、ゴールトベルクを弾き、明日は、近くの教会で、オルガン・コンサートです。でも、ギャラはもらえません。教会に信者が来なくなって、とっても、貧乏だとのこと。

でも、Dorfmuellerという、信じられないほど、親切なお爺さんのオルガニストがいます。彼の父上も盲人だったとのこと。

ドイツでは、私の体は、2割方、元気になります。

トイレの便器に流れる水音までもが、綺麗な倍音を発します。

これはどうしたことでしょう。

たぶん、私の耳がそのようにチューニングされてしまうのでしょう。

今は、5月。

花が一斉に咲き、鳥が一斉に鳴いています。

Amselが、特にすばらしい。

これは、「黒歌鳥」と辞書にはあったけれども、まあ、つぐみでしょうね。

今は、アスパラガスのシーズンなので、昨日は死ぬほど、それを食べました。

Hungerbergという、不思議な名前のチェンバロ・バウアーに会いました。

今日、彼の楽器を弾きます。

どこどこまでもドイツ的な仕事をする人だけれども、

クオリティーは、日本のチェンバロ製作家と、それほど変わりません。

やはり、私がやっているようなペダル・チェンバロは、こちらにもなく、

私が好んで使っている、本物の鳥の羽などは、こちらでもなかなかやっている人はいない。

ドイツもどんどん変わりつつあることを感じますが、

それをまとまった形で理解することは、まだ無理のようです。

それでは、また。

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