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ムシカWeb通信


■ 2012/05/26 音楽

 ・・ゆっくりと時が流れ、などと言ってみたいのですが、時の速さに追いつけぬ日常は東京もミネアポリスも同じです。

 桃子が Dr.Shin Tanakaという方の始められた奨学金ファンドのためのコンサートで幾つかの歌曲を歌ったのは5/13(日)の午後、共演のチェロ、クラリネット、ピアノの各氏はいずれも桃子にとっては光栄極まりないベテランの方々でした。(於:MacPhail Center for Music)

 ミネソタ・オーケストラのチェリスト磯村幸哉氏の演奏には心底感動しました。どの1音も曲の中の有るべき位置にあるべき姿で登場し、そこにクラリネットやソプラノ、ピアノが溶け込んでひたすらに心地良いのです。音楽が溢れ、その奥に作曲者やその時代を共に生きていた人の精神、そして勿論奏者たちの魂の奥に光るもの、さらに聴き手たちの心にもさまざまな思い出や憧憬、未来へ希望などが沸き上がり共に息づくのを感じました。希有な時でした。

 5月18日 87歳の誕生日を前にフィッシャー・ディースカウが逝き、24日には90歳の畑中良輔先生がお亡くなりになったとの報道。その丁度中間の5月21日には日本中を湧かせた金環日食。記録写真家の風間久和さんが写真を送ってくださいました。あまりの美しさに驚き、SiteMaster のいわたさんにお願いして TopPage に飾って戴きました。どうぞもう一度ご堪能下さい。

 金環日食の瞬間、天体はどのような音楽を奏でるのでしょうか。

 さて、5/27(日)は聖霊降臨祭です。以下FaceBookに掲載された淡野太郎の記事を転載致します。                                                       

 27日(日)はペンテコステ(聖霊降臨祭)。

教会的にはクリスマス、イースターと並ぶ3大祭のひとつ。 現代の日本においてはなじみが薄いが、キリスト教諸派の多くがこの日を「教会成立の日」として大切に守ってきた。

 当時3日間にわたって祝われた聖霊降臨祭のために、バッハが書いたカンタータは現存するだけで9曲。これらをコンプリートするだけでも大変だ。

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 Soli Deo Gloria<賛美と祈りの夕べ> Vol.277

 2012年5月27日(日) 18時開演

 日本キリスト教団 本郷教会礼拝堂(杉並区上荻4-24-5)

 http://www.musicapoetica.jp/hongou.php

 入場無料

 聖書朗読:串田委子 本郷教会長老

 ハインリヒ・シュッツ

 「宗教合唱曲集」より

  第3番 <神の救いの御恵みが現れた> SWV371

  第6番 <我ら誰ひとり自らのために生きず> SWV374

 ヨハン・セバスティアン・バッハ

  カンタータ第74番 <人もしわれを愛せば、わが言を守らん>

  [聖霊降臨祭第1日のためのカンタータ]

 ソプラノ 大石すみ子   アルト 羽鳥典子   テノール 星野正人   バス 淡野太郎

 ハインリヒ・シュッツ

  「宗教合唱曲集」より

  第12番 <それほどまでに神は世を愛された> SWV380

 器楽:ユビキタス・バッハ

 トランペット 上倉武/河原哲平/中村孝志  ティンパニ 鈴木力

 オーボエ 大木務/福本愛子   コーラングレ 後藤望実

 ソロ・ヴァイオリン 奥村琳  ヴァイオリン 小穴晶子/若尾紀子

 ヴィオラ 谷口勤  チェロ 三浦絢子  ファゴット 森本敏嗣  

 コントラバス 松永秀幸   オルガン 石原輝子

 合唱:ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京 & メンデルスゾーン・コーア

 指揮 淡野太郎

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 聖書の記述をよく見ると、実は3大祭のうちのクリスマスとイースターは、どちらも社会的には人目に付かず、ひっそりと起こっているのに対し、このペンテコステの出来事はそれはそれは騒がしい。 なにせ「轟音と共に炎のような舌がひとりひとりの上に降り、めいめいが世界中の様々な言語で語り始めた」というのだもの。 「それを目撃した人たちの一部は『酔っ払いどもが騒いでる』と思った」という記述は、何か微笑ましさすら感じる。

 第1曲はトランペット3本にティンパニが入る所謂「鳴物入り」のカンタータだが、その後はオーボエ・ダ・カッチャのソロオブリガートが付くだけのアリアや、器楽が通奏低音のみのアリアがあったり、そうかと思えば32分音符だらけ、重音バンバンの超絶技巧ソロ・ヴァイオリンが出てきたりと、まさに変幻自在の構成。 この変わり身の早さで、聖霊の働きを表現しているわけね。

 それぞれの楽曲の詳細をいちいち書いているとキリがないのでここでは書かないが、聴き応えのある作品です。

 お時間がおありの方、どうぞご来聴いただければ幸いです。

 

コメント(2) [コメントを投稿する]
_ 大和美信 2012年05月29日 23:01

弓子先生 御無沙汰致しております。27日のペンテコステのコンサートは、先生がいらしたら、きっと終わった後、素敵な表情をなさったのでは、、、カンターター74番の太郎さんの最初の一振りに、まるで、あたかも、轟音と共に炎のような舌が指揮者のところへ降りてきたのでは、と思わせるように、パタンと譜面代が倒れてしまったのです。太郎さんは、慌てることなく、右手の指揮は、振り続け譜面台を立て直し、オケも途切れることなく演奏が滞りなく、、、会場は、<br>聖霊に満たされ、演奏することが出来ました。<br>これこそ、生きた演奏でしか味わえないなと、実感しました。お帰りを首を長くして、又、どんな土産話を聞かせていただけるか楽しみにしております。

_ Y.TANNO 2012年06月01日 20:43

大和さん、やっとなにが起こったのかが分かりました。なんか凄い音が聞こえたという噂を耳にしたので、落雷か?と想像していたのですが・・・  こちらの様子はこれからBlogでレポート致します。


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