ナチュラル・トランペット4本とティンパニによるファンファーレで始まった今年のクリスマス・コンサート、お蔭さまで無事終了しました。
無事とはいっても、思いがけないことがいろいろと起こるのが本番です。私の第1のミスは眼鏡を忘れてオルガンの前に座ってしまったこと。取りに戻る時間なし。100%自分の不注意。私と一緒に歌って下さった皆々様、ご免なさい。平身低頭です。今後一切この種の過ちを繰り返さぬよう、気を付けます。しかしこういったことが徐々に増えて人は正真正銘の恍惚に至るのでしょう。
恍惚の瞬間はほかにも。シュッツ《クリスマスの物語》の終曲「Singen, singen 歌えや」の箇所に来ると、世界中の‘善きもの’が1度にやって来たような幸福感に。是非、実際に歌ってごらんになることをお奨めします。
普段はライプツィヒで修業中の中川郁太郎さんが一時帰国、《クリスマス・・》のヘロデ王を歌って下さいました。第一声を聴いた途端、旧東独のバス歌手ポルスターさんが東京カテドラルや石橋メモリアルホールで共に歌って下さった遠い記憶が一瞬にして戻りました。中川さんは今、ポルスター教授のもとで勉強しています。太郎もポ教授の薫陶を受けました。
バッハのカンタータ63番、それぞれの場面で皆善戦しました。若手の成長目覚ましく、この場が恵みと祝福に溢れていることを実感しました。「新しい御子の誕生」は文字通り「新生」の象徴、これからも新しい歌を捧げる日々の守られんことを!