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ムシカWeb通信


■ 2011/03/18 ご挨拶

 このたびの大震災によってお身内、ご友人を亡くされました方々、心の底よりお悔やみ申し上げます。

 衣食住は言うに及ばず日々の生活の全てを失ってしまわれた方々、共に涙しお慰めしたいと存じます。

  

 日本始まって以来とも言われております非常事態を前に、これからのコンサートをどのようにすべきかを考えておりました。「歌舞音曲禁止」という言葉が何度も頭をよぎり、また大ホールの厖大な消費電力については以前より知らされておりましたので、「節電に務めよ」の文字には身が縮みました。

 しかし、人間と人間の作ったものがあっけなく自然の威力に屈した今こそ、私たちはこれまでに行って参りましたコンサートの目的、また意義があるとすればそれはなにか、を出発点に戻って考え直す時であると思いました。ここでの思考と行動をあいまいにすることは、すでにこの状況に負けていることを意味します。

 

 これまで行って参りましたシュッツやバッハ、メンデルスゾーン、ブラームスなどなどの演奏は、霊的にも魂のレヴェルでも人間の思いを遥かに超えた存在への問いかけであり祈りでありました。身体の部分では、被造物としての人間が、創造主の計画に従って、いかに歌い奏でるかを探り求める日々でございました。今私たちに課せられた務めは、これらの行いをさらに深め究めて行くことであると考えます。 

 

 演奏会は、音楽の持つ力と上よりの恵みによって、私どもの行為と皆様のお心が一つとなる場と信じ、四月二四日(日)に予定されております【復活祭の音楽】及び【リスト生誕二〇〇年記念コンサート(全三回)】をすべて開催に向けて努力しようとの決断に至りました。ご批判もあろうかとは存じますが、私どもの意図するところをご理解戴けますればまことに嬉しく存じます。

 

 すでにお伝え致しましたように、去る三月十二日(土)には日本キリスト教団本郷教会にて予定されておりました「賛美と祈りの夕べ・ソリ・デオ・グローリア」第二六四回が地震後の混乱のため中止のやむなきに至りましたが、来る三月十九日(土)午後六時より代替開催の見通しが立ちました。十二日のプログラム通り、シュッツ《リタニア(連祷)》、バッハ《カンタータ第一二七番・主イエス・キリスト、真の人にして神よ》を、淡野太郎指揮によるユビキタス・バッハ、ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京とメンデルスゾーン・コーア有志によって演奏致します。この祈りの時をご一緒に過ごすことが許されますならば望外の喜びでございます。

 皆様のご無事、ご健康を心よりお祈り申し上げます。

       

               ムシカ・ポエティカ  淡野 弓子


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