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ムシカWeb通信


■ 2011/01/01 大晦日そして元旦

 どの日も24時間だ、とはいっても大晦日の24時間は恐るべき力を発揮する。「整理整頓」「捨てなければ!」なる思いと格闘の毎日、迷いに迷った数十年、そして大晦日、捨てた! 何を? それはとても言えません。

 元旦! これから三日間、昨日までに出来なかったことをゆっくりやろう。なんか得をした気分、元旦の福。

 昨年6月の中頃、ミネソタ州セント・ポールのエリザベス・マニヨン先生のレッスンで、私は遂に積年の疑問が氷解し、非常に頭がすっきりした、と同時にスイスイと歌えるようになった。巧くなったわけではないが 、11/19(金)、カテドラルで歌ったメンデルスゾーンの<讃歌>では、歌い手の気持ちと聴き手の気持ちが一致したと思う。これまでは、良い、と言って貰っても「?」、駄目、と言われても「?」、要するに釈然としない唱後感。今は違う。

 一番嬉しいのは、心おきなく指揮が出来るようになったことだ。人の声を組み上げてゆく「合唱」。団員一人ひとりの声にやっと正確な判断が下せ、より良い道への助言が迷い無く出来るようになった。「シュッツ合唱団40年」の第4回目を書き終わって、「Es singt」なる言葉によって、「歌う」の主語が非人称であることを知らされたのが1980年前後だったことを確認、今回の出来事は私にとって30年目の奇跡と言えよう。

 VHSの整理をしていたら、ギーベル先生のリーダーアーベントで二重唱をしている自分の映像が出て来た。1997年6月、ドイツ・ツンドルフでのこと。すっかり忘れていた。アグネス圧巻! やはり彼女の声は只事ではない。生徒を自宅に泊め、生活の全てを見せ乍ら本番で生徒とデュエットする、という徹底した教授法によって、身体から身体へ伝わる技。

 今始まったばかりの2011年、今年は少し冷静になって分かったことを人に伝えたい。

コメント(2) [コメントを投稿する]
_ 松浦のぶこ 2011年01月10日 18:50

けんか腰で捨てないとモノは捨てられません。淡野さんが捨てられたのは何だったのでしょう。お嫁入りのときの鍋釜一式?<br>私は海外駐在が終わるたびに元より増えた分を捨てる方針を貫き、海苔の箱に入った最初の一日からのラヴレター千通を捨てて今頃後悔してます。何が大切なものかは年取らないと分からないですよね。

_ Yumiko Tanno 2011年02月05日 12:25

松浦のぶ子さま<br>お返事がこんなに遅くなってしまい、申し訳ございません。それにしてものぶ子さまの受け取られたラヴレター千通は、部外者の私でも惜しいと思います。私の捨てたものも、字の書いてある紙でした。仏教徒の祖母が遺した書物一式・・・高名なお坊様の書かれた有り難いお話・・・、祖母の死後、私は自分が保管せねば大変なことになる、と手許に置くことにしたのでした。書物の価値以上に亡くなった祖母の逆鱗に触れることが恐ろしかったのだと思います。手放した今も、やっぱりちょっと怖いのです。


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