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ムシカWeb通信


■ 2008/01/13 身辺雑記

 1/7(月)より今年の復活節で40歳になるシュッツ合唱団の練習が始まりました。1/8(火)アクアリウス、 1/9(水)シュッツ合唱団、 1/10(木)メンデルスゾーン・コーア、と今週は今年初めての練習がずらりと並びましたが、どの練習も安定していたので嬉しく思いました。また1/11(金)には個人レッスンを4人、こちらもいつになくすっきりと過ぎた時間でした。とくに76歳の Fさんはこれまで文字通り悪戦苦闘を繰り返し、Fさんも苦しかったでしょうが、私も「あなたを教えている最中に私が脳溢血で倒れたら救急車を呼んで下さいね」と言うほど、頭に血の上るレッスンだったのです。がなんとこの日、彼女は初めてさっぱりした声で堂々とシューマンの<小さな民謡>を歌いました。私は思わず「 Fさん、素晴らしい声よ! それでいいのよ。」と言いますと彼女は「先生、最初のレッスンで『 Fさん、あなたがちゃんと歌えるようになるには7年かかります』と言われたのですが、今年で7年なんです。」と言うではありませんか。全くお互いに良くがんばったものです。

 夜は幼なじみの真澄ちゃんがシューマンの<ユーゲント・アルバム>全43曲を生徒さんと二人で弾くというので代々木上原のムジカーザというところへ聴きにいきました。「楽しい農夫」などこの中のいくつかは誰でも知っていて、弾いたことのある人も沢山いるでしょうが、全部一度に聴けるというような機会はなかなか無いと思います。とても面白く、懐かしく、楽しい時でした。

 真澄ちゃんと知り合ったのは彼女が小5、私が小6の時です。中学と高校は違いましたが、再び大学の入学式で一緒になり、以来ずーーーーっと友達です。彼女は45年もドイツで暮らしていて、ベルリンの音大でピアノを教えていました。今は学校からも解放され、時々日本に帰ってきては、面白い企画でピアノを聴かせてくれます。聴くたびに彼女のピアノの音は変化していて、昨夜の音は今までで一番こくがあり、優しさに溢れていたように思いました。

 60年のつきあいですが、いつも時間がないので音楽上の意見交換も身辺の話も食事をしながら早口で喋り、会うたびに服やセーター、コート、靴、バッグなどを取り替えるのです。死ぬ時にはお互いの洋服箪笥の中身が入れ替わっているのではないかと思います。


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