ミネアポリスで誕生日を迎えました。東京とは15時間の時差がありますので、その分、得をしたのかしら? 日曜日なので教会へ。Keith と桃子夫婦の通う聖アンドリュウ・ルーテル教会です。大きな教会で前面の壁のすべてはオルガンのパイプ、両サイドの三分の一ほどは大きな天井までのガラスで外の景色が見えます。なんといってもミネアポリスの特徴は、大方どの地点に立っても真っ青な空が360度見え、そうでなければ、真っ白い雲がまことに勇壮な姿でゆったりと動き、数百メートル行くと湖、また湖という東京人にとっては立っているだけで有り難い気分になる場所です。その景色に包まれての礼拝です。向かって左に大人のクワイア、右に子供のクワイア、オルガンに加えてグランド・ピアノが二台左右に置かれ、それでもまだ広々した祭壇、毎日朝から晩まで礼拝や行事の詰まった教会です。聖餐はボーイスカウトの少年たちのリードに従って一人ひとり前へ進み、牧師からパンを、アシスタントの人からぶどう酒を貰います。牧師が大きな食パンを丸ごと手にし、ひとりひとりにちぎって分けてくれます。このようなパンの配餐は初めての体験でした。わたくしがパンを戴く前に桃子に抱かれた茜の額に牧師が指で力強く十字を切って下さり、そののち、わたくしのためにパンがちぎられ、それを口に、そしてぶどう酒を含んだ瞬間、得も言われぬ祝福に包まれ、思わず涙が・・・。因みに茜の父方の祖父はフィンランドの、祖母はスウェーデンの人、その二人から生まれた Keith と日本人の桃子が結婚して生まれた茜には三か国の血が流れています。血脈の祖先はもとより、遠い国の遥かな祖先ともひょんなことから繋がりが生まれるこの世の不思議もさることながら、イエス・キリストの聖餐に与ることによって、われわれ人間たちにも「霊の一致」という奇しきわざの恵みを与えられるのです。何回となく迎えた誕生日でしたが、今日ほどの喜びは初めてでした。
桃子は「Don Giovanni」の Donna Anna と「Figaro」の Susanna の役で、去る1月23日から3月末までほぼ毎日リハーサル、その後 6月23日まで本番という飛んでもないスケジュールで(http://www.jeunelune.org/season/)(http://www.jeunelune.org/season/production.asp?articleID=49) 茜にお乳をやりながらがんばっていますので、わたくしも色々な方々のご理解とお許しを戴いて、赤ん坊の世話をしにここへやって来たのです。しかし明日5日にはもう帰りの飛行機に乗らねばなりません。東京での活動はまたすぐにお知らせ致します。それとドイツ旅行記もあと一日分残っておりますので、こちらもがんばります。今日は個人的な話になってしまいましたが、最後までお読み下さいまして有り難うございました。