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ムシカWeb通信


■ 2007/01/15 ドレスデン聖母教会・待降節第三日曜日の礼拝

 午前11時正面上方に据えられた大オルガンが響き渡り礼拝が始まりました。わたくしたちは「音楽」の項で3曲のモテットを歌いました。常に感じることは、礼拝音楽の場では普通のコンサートにはない時間の流れ方があり、その中で歌う、奏く、ということの難しさです。有無を言わさぬものが支配しているのです。しかし、命令というよりは促しであり、自分をその場に解き放ち、委ねることによって、「用いられる」という状態が与えられ、主観、客観を超えた時空に音が舞う・・・。シュッツの二曲のモテットはいささか緊張しており、その至福にあずかるには今一歩ならぬ数百歩という感じでしたが、な、なんと「Also hat Gott die Welt geliebt(神はそれ程にこの世を愛し)」の最終コーダ部分「das ewige Leben haben(永遠の生命を得る)」の ha(得)・・・と歌い出した瞬間、合唱席の右上方の窓から燦々たる太陽の光が射し、・・・ben(る)では文字通り光に包まれてのエンディングとなりました。その後礼拝は最終段階に入り、「主の祈り」の後に歌ったラインベルガーの「天は露を滴らせ」は、まさに・・浮かび漂う・・といった趣き・・・。

 合唱席にはグリューネルトさんとドレスデン在住の日本人ワルブレヒト夫人がずっと付き添って下さり、心配はありませんでしたが、この方々のガイド無しには、地下の聖歌隊控え室から礼拝堂の合唱席までの曲がりくねった細い長い階段の途中で迷子になっていたことでしょう。

 聖母教会の礼拝には世界各地から毎回1800人の人が訪れるとのこと、外で列をなして待っていても、入れない場合もあるとか・・。わたくしたちの受けた恵みの大きさ、深さは測り知れぬものでした。以下、当日の週報に従って礼拝の流れを記しておきます。

ドレスデン聖母教会・待降節第三日曜日の礼拝

2006年12月17日[日]午前11時

オルガン  O Heiland, reiss die Himmel auf(おお救い主よ、天を切り開け)による即興演奏

歓迎の挨拶

会衆歌   O Heiland, reiss die Himmel auf 1-4節

       Text:Friedrich Spee 1622  Melodie:Koeln 1638 Augsburg 1666

Gloria Patri  栄光あれ、父、子、聖霊に。初めにあったように、今も後も永遠に。アーメン。

Kyrie    合唱: Herr Gott, erbarme dich. 主なる神よ、憐れみたまえ。

     会衆: Christe, erbarme dich. Herre Gott, erbarme dich. キリストよ、憐れみたまえ。主なる神よ、憐れみたまえ。

祈 祷

書簡朗読  第一コリント4、1-5 (会衆起立)

     会衆:Gott sei Lob und Dank 神に栄光、感謝

     会衆:Halleluja, Halleluja, Halleluja

会衆歌  Mit Ernst, o Menschenkinder 1-4おお人の子よ、真剣に

       Text:Valentin Thilo 1642 Str.4 Luehneburg Melodie:Von Gott will ich nicht lassen(Nr.365)

福音書朗読 (会衆起立)

    会衆:Ehre sei dir, Herr 主よ、栄光汝にあれ

    マタイ11, 2-6

    会衆:Lob sei dir, Christus キリストよ、讃美汝にあれ

音 楽  Heinrich Schuetz(1585-1672)

“Ich bin eine rufende Stimme” SWV 383

「わたしは呼ばわる者の声」

説 教

会衆歌  Wie soll ich dich empfangen どのようにお迎えしたら 

        Text:Paul Gerhardt 1653   Melodie:Johann Crueger 1653

信仰告白 (会衆起立)

    Ich glaube an Gott,

den Vater, den Allmaechtigen,

den Schoepfer des Himmels und der Erde,

und an Jesus Chistus,

seinen eingeborenen Sohn, unsern Herrn,

empfangen durch den Heiligen Geist,

geboren von der Jungfrau Maria,

gelitten unter Pontius Pilatus,

gekreuzigt, gestorben und begraben,

hinabgestiegen in das Reich des Todes,

am dritten Tage auferstanden von den Toten,

aufgefahren in den Himmel;

er sitzt zur Rechten Gottes,

des allmaechtigen Vaters;

von dort wird er kommen,

zu richten die Lebenden und die Toten.

Ich glaube an den Heiligen Geist,

Die heilige christliche Kirche,

Gemeinschaft der Heiligen,

Vergebung de Suenden,

Auferstehung der Toten

Und das ewige Leben.

Amen.

われは天地の造り主、全能の父なる神を信ず。

また神の独り子なるイエス・キリストを信ず。

主は聖霊によりて妊られ、処女マリヤより生まれ、

ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架に

つけられ、死して葬られ、黄泉に下り、天に昇り、

全能の父なる神の右に座し給えり。かしこより生きて

いる者と死んだ者とを裁くために再び来給う。

我は聖霊を信ず。聖なるキリストの教会、使徒のエクレシア、

罪の赦し、死人の甦りと来たるべき世の生命を信ず。アーメン。

音 楽  Heinrich Schuetz(1585-1672)

“Also hat Gott die Welt geliebt” SWV 380

「神はその独り子を給うほどにこの世を愛された」

聖母教会活動報告

会衆歌  Es kommt ein Schiff 1-6 一艘の舟が

       Text:Daniel Sudermann um 1626  (15世紀シュトラスブルクのマリアの歌による) Melodie:Koeln 1608

代 祷

主の祈り (会衆起立)

    Vater unser im Himmel.

Geheiligt werde dein Name.

Dein Wille geschehe, wie im Himmel, so auf Erden.

Unser taegliches Brot gib uns heute.

Und vergib uns unsere Schuld,

wie auch wir vergeben unsern Schuldigern.

Und fuehre uns nicht in Versuchung,

sondern erloese uns von dem Boesen.

Denn dein ist das Reich und die Kraft

Und die Herrlichkeit in Ewigkeit.

Amen.

天にましますわれらの父よ。

願わくは御名を崇めさせ給え。

御国を来たらせたまえ。

御心の天に成るごとく、地にも成させ給え。

われらの日用の糧を今日も与え給え。

我らに罪を犯す者を我らが赦すごとく

我らの罪をも赦し給え。

我らを試みに会わせず

悪より救い給え。

国と力と栄えとは

限りなく汝のものなればなり。

アーメン。

音 楽  Josef Gabriel Rheinberger(1839-1901)

“Rorate coeli desuper” Op.176-7

「天は露を滴らせ」

祝 祷

オルガン Johann Sebastian Bach(1685-1750)

Fuga sopra il Magnificat

* 献金・出口にて。ドイツ福音教会と州立教会の合同・超教派的使命のために。

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協力者:

牧師 Holger Treutmann ホルガー・トロイトマン

Siegrid Kuehnemann ジークリッド・キューネマン

Heinrich Schuetz Chor, Tokio ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京

Leitung:Yumiko Tanno 指揮 淡野弓子

Frauenkirchenorganist Samuel Kummer 

聖母教会オルガニスト ザムエル・クンマー

(以上)

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