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ムシカWeb通信


■ 2016/06/19 熊谷守一  FBより

 このところバリトンの N君と「ヘルムホルツ→セディエ→エムゲ→ヒュッシュ→マンヨン→われわれ」に伝わった振動数と倍音に基づく発声法で勉強を続けているのですが、その時、日本の作曲家でこのような理論で曲を書いた人は?ということで「信時潔」の名が挙がりました。

そしてついこの間、敬愛する俳優、坂本長利さんが「熊谷守一」の絵と生き方にひどく魅かれると仰ったので「実は私も・・」と意気投合。そこで『へたも絵のうち』熊谷守一(平凡社ライブラリー)を取り寄せ早速読み始めましたら、ナ、ナ、ナント、以下のような1節が! 

 「ドイツのヘルムホルツという学者がこの道の権威で本を書いているのですが、それを信時潔に貸してもらって読んだら、なかなか複雑でむずかしい。〜中略〜 二つ以上の音を同時に出すと、その波がいろいろ入り組んでくる。その入り組み方によって、きれいな音やきたない音ができる———まあそういう話なのです。」(132ページ)

 熊谷守一と信時潔が友達であったことにも驚きましたが、そこにヘルムホルツが出てくるとは! どこでどうなっているのか・・・現在の生死には関わりなく、人は出会うべき人には必ず出会うのだ、と思わずにはいられません。


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