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ムシカWeb通信


■ 2011/07/15 再び東京で

 長いご無沙汰をお許し下さい!

 6/27(月)の夕刻、成田に着き、そのまま中目黒へ向かって太郎の指揮するシュッツ合唱団の練習を覗きました。ストレートに伝わるシュッツの歌声を教会の扉の外でしばらく聴き、「家に帰って来た」との思いに浸たりました。

 6/28(火)夜、茗荷谷の作楽会館で、‘アクアリウス’の練習。ポーリーヌ・ヴィアルドのエチュードがどう機能するか楽しみに持参しました。テーマがあり、その変奏が5曲ある練習曲ですが、テーマとVar.1を練習してみました。無理のない声で、旋律を優しく扱うという方向に光を感じます。次回はVa.2を歌ってみましょう。

 6/29(水)いよいよシュッツ合唱団の練習。その前にセディエの Lesson 1 アタックの練習から始め、次の基音から1オクターヴ上の音に昇る練習、第2倍音からオクターヴ下の基音に戻る練習をして、音階が自然音律の中で正しい位置に置かれるように各自の持つ楽器を調えました。

この練習によって当然のことながら非常に澄んだ和声の響きが得られます。

 6/30(木)メンデルスゾーン・コーアでも勿論セディエの理論の説明と実習をして、その後太郎の指導でリスト《キリスト》の練習。メンデルスゾーン・コーアの練習日は7月から土曜日に変りました。

 リスト《キリスト》の公演が来年に延期されたため、急遽シュッツ合唱団はシュッツ《ガイストリッヒェ・コーアムジーク(宗教合唱曲集)1648》を演奏することになりました。3.11以後、いてもたってもいられぬ気持ちが続き、この曲集を歌いたい、と思ったのです。なにはともあれ我が身を建て直さねば先へ進めぬという感じでした。次に29曲のモテットをどのような順序で歌うか、です。ミネアポリス滞在中の大きな課題でした。丸一ヶ月かかっておおよその構想がまとまり、帰国して整理し、チラシの印刷に入りました。(現在TopPageでご覧戴けます。)

 ミネアポリスではそれと並行して、発声学会としては初めての催し「歌の集い」の準備で、東京のK先生、沖縄のT先生、ミネアポリスの私とでメール会議が続き、来る7/23(土)午後7時より新大久保のスタジ・ヴィルトゥオージで目出たく開催の運びとなりました。(詳細はhttp://cert.shinshu-u.ac.jp/jars/  にて)

 と、シュッツ合唱団40年の軌跡 その5 の原稿締め切り7/10が迫ってきたではありませんか。予定ではミネアポリスで大筋は完成するはずだったのに、抱えていった資料はそのまま持ち帰り、という体たらく。思い出は懐かしく、楽しく、悲しく、また苦しく、書いたからといって消えるものでもなく・・・たった1980年から81年に起こったことを書くのに日々七転八倒でした。

 ハッと気付くと明日はSDG、急いでお知らせ致します。

 2011年7月16日(土)

 Soli Deo Gloria<賛美と祈りの夕べ> Vol.268

 H.シュッツ:「宗教合唱曲集」より

 第11曲 <わたしはイエス・キリストの御許へ>

 J.S.バッハ:「ミサ曲ロ短調」より<アニュス・デイ(神の子羊)>

 J.S.バッハ:「マタイ受難曲」より

 第64曲 レチタティーヴォ <夕べ、涼しい時に>

      アリア <おのれを、わが心よ、潔めよ>

 J.S.バッハ:カンタータ第135番 <ああ主よ、哀れなる罪人なるわれを>

 [三位一体祭後第3日曜日のためのカンタータ]

 H.シュッツ:「宗教合唱曲集」より

 第12曲 <神はそれほどまでに世を愛された>

 日本キリスト教団 本郷教会礼拝堂(東京・上荻)18:00 開演

 (17:30開場)

 [入場無料]

[出演]

 アルト 淡野弓子  テノール 星野正人  バス 淡野太郎

 器楽:ユビキタス・バッハ

 オーボエ 大木務/後藤望実  コーラングレ 宮本忠昌/早川俊英  サックバット 大和仁典

 ヴァイオリン 山口眞理子/関建一郎  ヴィオラ 谷口勤  チェロ 三浦絢子  ファゴット 前原聡子  コントラバス 兼利剛也

 オルガン 武久源造/石原輝子

 ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京&メンデルスゾーン・コーア有志

 S 今村ゆかり/神山直子/櫻井尚子/柴田圭子/巽瑞子/玉井千恵/中野利子/大和美信

 A 秋山百合子/石塚瑠美子/影山照子/栗川三千子/小西久美子/佐藤道子/田畑玲子/淡野弓子/戸井恵子/中村光子/松井美奈子

 T 淡野太郎/星野正人  B 石塚正/中村誠一/細川裕介

 指揮 淡野太郎

 冒頭のシュッツのモテットは明日の回より<So fahr ich hin zu Jesu Christ わたしはイエス・キリストの御許へ>に変ります。またこの日のカンタータは、三位一体祭後第3日曜日に朗読される聖書箇所である第1ペトロ 5;6-11「思い煩いをすべて神に委ね、信仰に踏みとどまって悪魔に抵抗せよ」がテーマで、コラール旋律はバッハの<マタイ受難曲>に繰り返し現れるかの有名な ミ ラ ソ ファ ミ レー ミー・・・です。このカンタータへの導入として、この内容に因んだバッハのアルト・アリア(ロ短調ミサ曲)と、バスのレシタティーヴォとアリア(マタイ受難曲)が歌われます。最後は器楽奏者共々シュッツの<Also hat Gott die Welt geliebt 神はそれほどまでに世を愛された>を歌います。毎回新しい声が加わり、われわれの想像を超えた響きとなります。どうぞご参会下さい。お待ちしております。


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