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ムシカWeb通信


■ 2007/11/17 追悼者記念礼拝 於 本郷教会 11/4(日)

 太陽が古都の山間に沈み、大騒ぎだった11/3も静かに暮れて行きました。私は翌11/4の記念礼拝に出席したかったので、桃子たちを奈良に残し、京都から「のぞみ」の最終に乗って帰京。

 上荻の本郷教会では年に一度、教会員の親族、友人など、亡くなられた方々のお名前を週報に記し、写真を飾って礼拝を守ります。今年は内尾くんのご両親が<エリヤ>とこの礼拝のために福岡からおいでになるとのことで、私も内尾くんのさわやかな笑顔の入った写真立てを持って教会に行きました。聖書、賛美歌、そして写真をバッグに入れた時、予期せぬ涙・・・・。それまでは半ば確信犯的な彼の行動から、彼は死の直前にある種の達成感を感じたのでは・・と勝手に想像し、「諦めるしかない」と自分に言い聞かせて生きて来たのですが、この日の朝はただ「可哀そうに」という気持ちで一杯でした。

 縁とは不思議なもので、内尾くんは少年時代を西荻で過ごし、お父上の勤務でニューヨークにいた時も「西荻へ帰りたい」といつも言ってそうです。昨年の春から武蔵境に住んでいた内尾くんは、中央線の西荻窪から北へ徒歩9分という場所にある本郷教会には自転車で来ていました。音楽礼拝<Soli Deo Gloria>のための日曜日の練習にはかなり熱心に参加し、土曜日の本番ではシュッツやバッハを楽しそうに歌っていました。礼拝にも出席するようになり、受洗の意志を固め、廣田牧師の許で洗礼準備の勉強も始めていました。ご両親は、内尾くんの西荻を愛する気持や教会に対して抱いていた思いを尊重され、この日、本郷教会の礼拝に出席されたのです。

 礼拝が終わりオルガンの後奏が鳴り始めた時、私の目の前をスッと内尾くんが飛んで行ったように感じました。とても嬉しそうでした。


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