あれよ、あれよという間に今年もすでに2週間が過ぎようとしております。水曜日の夕方から家を空けシカゴへ向かった桃子がさっき(土曜日夜8時半)帰ってきました。今回、子供たち、全く母親の不在に動ずることなく、羽を伸ばし、好き放題の3日間を満喫しました。半年前には、朝起きて、母親のいないことに気付いた輝は、このまま脳みそが爆発してしまうのではないかという程泣きましたから、私としては戦々兢々だったのですが。
桃子は GlobalとLocalを合わせた ‘Glocal Mission Gathering’ というセミナーに参加し、感動の面持ちです。米国の福音ルーテル教会の主催で、お互いの民族に根ざした賛美歌を教え合うという試みです。スーダン、ボリビヤ、プエルトリコ、トンガ、インド、フィリピン、ラオス、インドネシア、韓国、日本、ブラジル、アラスカなどから50人のミュージシャン、ダンサー、牧師、高校生などがすべて招待されて集ったということです。
ところで我々日本人は「日本の賛美歌を」と請われても、ほとんど西洋和声の歌ですから、オヤ、どうしましょう?ということになるのですが、桃子と一緒に懸命に考えた挙げ句、やはりこれではないの、という歌、それは生月島に伝わる隠れキリシタンのオラッシャ(祈り歌)です。禁制のキリスト教を信仰し、密かに口移しで伝えられた、元はグレゴリオ聖歌であった歌の数々は、言葉も旋律も日本の土俗の生命力と混淆し、泥臭さを残したまま精錬されたとでもいうか、歌っても聴いても「素晴らしい音楽」なのです。私はこの歌を柴田南雄作曲《宇宙について》で知ったのですが、ここに出現する ‘キリヤ デンズ クリステ レンズ パチリ ノチリ ケーセン セーリア サンチモ センチモ ノーメン ツーア スペレヤ レ レン ツワ’ は忘れようにも脳から出て行かない「歌」の一つです。勿論、『讃美歌21』には収録されていません。・・・「おらっしゃ」の採譜を、いかなる形にせよ、引用することをお断りする・・・との柴田先生のお言葉ですが、この歌は、「譜面」からのものではないところに本来的な意味があるのでしょう。
そんなこんなの日々でしたが、明日の午後こちらを発ち、1/16月曜日の夕刻、成田に着きます。そのまま練習場へ行きますので、シュッツ合唱団の皆々様、よろしくお願い致します。